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NASA、遠紫外スペクトル領域の光学コーティングを研究

June, 7, 2017, Greenbelt--NASAの技術者は、遠紫外スペクトル範囲でこれまで報告された中で最高の反射率の望遠鏡ミラーを作製した。
 NASAのGoddard Space Flight CenterのManuel Quijadaチームは、赤外、光、遠紫外波長帯に感度がある高反射率アルミニウムミラーを作製するための技術を研究している。
 研究しているのは、特に3つの異なる技術と材料。これらはアルミニウムミラーを作製し、保護コーティングを適用する技術であり、目的は、酸素に晒されたときに酸化からミラーを保護し、反射率を失わないようにすることである。
 「これまで、90nm~130nm範囲でミラーの高反射率を保護し維持するコーティングを開発したものはいなかった。このスペクトル範囲で、科学者は、豊富なスペクトルライン、太陽系外の居住可能な惑星を含めた天文学的ターゲット観察することができる。この範囲でコーティングの低反射率が、遠紫外望遠鏡およびスペクトログラフ設計の最大制約の1つである」とQuijadaは指摘している。
 遠紫外観察に特化した最近のNASAのミッションの1つは、Far Ultraviolet Spectroscopic Explorer, or FUSE(遠紫外線分光探査機)だったが、これは最初のミッション成功後、2007年に退役した。それは8年にわたる軌道で約3000の個別天体について6000観察を行ったが、FUSEのフッ化リチウム基板コーティングが不十分で安定的ではなく、時間とともに劣化し始めた。
 Quijadaの目標は、遠紫外での反射率を改善するだけでなく、他の波長帯での観察もできるコーティングとプロセスの開発である。
 1つのコーティングアプローチで、研究チームは物理的気相成長法(PVD)を使って二フッ化キセノンガスの薄い層をアルミサンプルに塗布する。研究によると、二フッ化キセノンの処置はフッ化イオンを作り、それがしっかりとアルミ表面に結合し、酸化の進行を阻止する。
 同氏はさらに、他の2つの薄膜堆積技術、イオンアシストPVDと原子層蒸着の利用も検討している。これらによって、他のコーティングよりも環境にやさしいアルミ3フッ化物の薄膜を付ける。
 研究チームは、紫外スペクトルバンドの別の領域に対するコーティングの開発にもすでに成功している。
 2016年、研究チームが考案した保護膜が、133.6~154.5nmの範囲で90%の反射率を実現することが評価テストで照明された。これは、この紫外域では、これまでに報告された中で最高の反射率である。この前例のない性能レベルを達成するために研究チームは、3段階のPVDプロセスを開発し、アルミニウムミラーを保護フッ化マグネシウム、またはフッ化リチウム膜で被覆した。
 これらの高反射率コーティングにより、新しいタイプの装置が可能になっている。地球の電離層と太陽風との相互作用を研究する2つの新しい太陽物理学ミッション、Ionospheric Connection Explorerおよび Global-scale Observations of the Limb and Diskは、このコーティング技術を利用する。
(詳細は、www.nasa.gov)