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原子1個の内部電場の直接観察に成功

June, 2, 2017, 東京--東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の柴田直哉准教授、関岳人特任研究員、幾原雄一教授らの研究グループは、0.05nm以下の分解能を有する最先端走査型透過電子顕微鏡(STEM)と独自開発の多分割型検出器を用いることにより、金原子1個の内部に分布する電場を直接観察することに世界で初めて成功した。
 この電場は、プラスの電荷をもつ原子核とマイナスの電荷をもつ電子雲との間のわずか0.1nm以下の領域に分布する電場であり、この結果は原子内部の精緻な構造観察や原子同士を繋ぐ結合の直接観察の可能性を拓く重要な成果。この成果により、電子顕微鏡は原子を見る顕微鏡から、原子の内部構造までをも見ることのできる顕微鏡へと大きく進化することが期待される。
 研究成果は、Nature Communicationsに発表された
 研究グループは、0.05nm以下の分解能を有する最先端STEMと独自開発の多分割型検出器を用いることにより、金原子1個の内部に分布する電場を可視化することに世界で初めて成功した。原子内部のプラスの電荷をもつ原子核とマイナスの電荷をもつ電子雲との間の電場によって影響をうけた電子線の進行方向の変化(角度や位置)を分割型検出器で検出することにより、原子内部にどのように電場が分布しているのかを直接観察することができる。この方法により、原子内部のプラスの原子核からマイナスの電子雲に向かって電場が湧き出している様子を捉えることに成功した。この結果は、これまで原子の観察に留まっていた電子顕微鏡を、原子の内部構造までをも直接観察することのできる顕微鏡へと大きく進化させる画期的な成果である。
(詳細は、www.jst.go.jp)