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マイクロヒーター/サーモメタ統合デバイスを作製

May, 26, 2017, Lincoln--ネブラスカ大学リンカーン校Ming Hanは、最新の研究成果の一つ、レーザ加熱で華氏2000度に達する、シリコンチップ光ファイバデバイスを発表した。室温から300度へは一瞬で上昇する。
 デバイスの加熱能力は、グリーンハウスガスのモニタリングから、医療や産業アプリケーション向けにマイクロバブルを生成する生物学的研究用の見本準備までの状況で利用できる。また、要求の厳しいエンジンや発電環境での温度モニタができる超高温性能のサーモメタとしても使える。
 「他のデバイスでは、加熱素子と温度センシング素子は一般に2つの異なる素子である。ここでは、両方を同じ微小構造に統合した」と電気・コンピュータ工学准教授Han氏は説明している。
 設計は、Hanの以前の海洋学向け光ファイバ温度センサからの発展。新規デザイン同様、そのセンサの特徴はファイバ端に取り付けたマイクロシリコンピラー、超高速で光信号を伝送する柔軟なガラスストランドである。しかしシリコンをファイバに取り付ける接着剤は華氏200度程度で軟化し、それ以上の高温では使えない。
 研究チームは、ファイバとシリコンピラーを接着剤で再び接合した後、超高温電流アークを利用して別の光ファイバストランドをピラーの反対側に融着した。そのプロセスで、反対側の接着剤も同時に軟化し、元の光ファイバストランドが分離し、新しい溶融デバイスだけが残った。
 そこから、研究チームは光ファイバに2つの波長を通した。1つは980nmレーザで、これはシリコンに吸収される。もう1つは1550nmで、シリコンを透過する。
 吸収されたレーザは熱を発するので、遠隔制御パワーで温度が決まる。一方、シリコンに入るもう1つの波長は、ピラーの両端で部分的に反射され、相互に干渉し始める。その干渉縞はシリコンの温度で変化するので、その読み取りは正確な、敏感に反応するサーモメタになる。
 研究チームによると、近赤外から遠赤外まで広帯域の波長を生成するデバイスの能力は、その波長との相互作用の仕方をベースにしたガス検出で特に有用である。温度を計測し調整する能力は、既存のマイクロヒーターにはない多機能デバイスを可能にする。
(詳細は、www.unl.edu)