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真にランダムな偏光をもつ単一光子の発生・検証に世界で初めて成功

April, 28, 2017, 仙台--東北大学電気通信研究所・枝松圭一教授,阿部尚文研究員らの研究グループは,静的にも動的にも真にランダムな偏光状態にある単一光子の発生を,ダイヤモンドを用いて実現することに成功した。
 今回の成果は,光子を用いた真性乱数発生器(例えて言えば量子サイコロあるいは量子コイントスともいうべきもの)の実現 や量子暗号の技術開発,および量子力学の基礎問題の検証に重要な役割を果たすことが期待される。
量子コンピュータや量子暗号など,現在の古典情報通信技術を凌駕する可能性をもつ次世代情報通信技術として期待されている量子情報通信技術において,単一の光子は特に重要な役割を持つ。量子情報通信における情報の基本単位である量子ビットは,単一光子の偏光を用いて実現されており,従来は,純粋状態と呼ばれる特定の偏光をもつ状態のみが主に利用されてきた。一方,個々の光子の偏光が全くランダムで特定の偏光をもたない,すなわち静的にも動的にも「無偏光」な状態にある単一光子は,物理的な真性乱数の発生や量子暗号通信への応用,あるいは量子測定などの量子力学の基礎問題の検証においてたいへん有用であると期待されているが,そのような静的かつ動的な無偏光性を示す単一光子の発生はこれまで確認されていなかった。
 研究では,結晶面を工夫したダイヤモンド結晶中の不純物欠陥(NV中心)から発生する単一光子が,静的にも動的にもほぼ完全なランダム性をもつ無偏光状態にあることを検証することに世界で初めて成功した。
 この研究成果は,2017年4月26日(英国時間)発行オープンアクセス科学誌「Scientific Reports」(Nature Publishing Group)に掲載。