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LLNL、次世代NIFオプティクス開発

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April, 19, 2017, Natick--ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の研究チームが開発した新しいARコーティングと新しい化学プロセスは、国立点火施設(NIF)の192の巨大レーザのエネルギー増強で重要なブレイクスルーとなる。また、その運用に必要な損傷オプティクスの修理、取替コスト削減にも寄与する。
 コーティングは、レーザファシリティのグレーティング・デブリシールド(GDS)の裏面からの、エネルギーを奪う反射を克服するために開発された。GDSは、NIFレーザビームが標的チャンバーに入る前の最後から2番目の部品で、標的チャンバー環境から他の部品を保護し、NIFレーザビームのエネルギー診断を支援する。
 特許の化学プロセス、Advanced Mitigation Process(AMP)が、さらにオプティクスを保護する。これは、不純性と吸収微小破壊を除去することで表面の損傷抵抗を向上させることによる。これらの不完全性は、レーザ光に晒されると、表面に微小な損傷クレータを造り、それらはレーザショットの繰り返しによって増加し、部品の寿命を制限する。AMPプロセスとコーティングの両方が、損傷率低減とNIFのエネルギーを高めるために必要とされている。

NIFは、世界最大にして最高のエネルギーレーザシステムであり、これにより科学に基づいた核管理に必要な温度と圧力の限界を作り出し、宇宙の理解を深めることができる。NIFレーザショットでは、増幅器、ミラー、波長コンバータを含む複合的な一連のオプティクスが、レーザ光を強化し、標的チャンバーに導きいれる。ここで、慣性核融合および高エネルギー密度物理学実験のために、微小ターゲットに集光される。
 GDSは、レーザ光の微小量を回折し、それをエネルギー計測のために使用されるデバイスに送る。また、NIFのビームが標的チャンバーに入る際、そのビームのレーザエネルギーを研究者が均衡させるときに利用する。この部品からの問題のある反射は、究極的には、それが受ける損傷の原因になる。
 LLNLプロセスエンジニア主任、Marcus Monticelliによると、グレーティングを安定に保つために、歴史的には、それはコーティングされなかった。コーティングの屈折率が時間とともに変わるからである。このことが回折効率に大きく影響を及ぼし、NIFのパワー均衡問題を起こすことになる。
 GDSのような溶融シリカ部品にコーティングしないことは、エネルギーにおけるペナルティになる。NIFレーザの352nm、つまりUV波長では、レーザエネルギーの3.7%が、オプティクスの出力面からビームラインに反射するので、それが他のオプティクスを損傷しないようにビームダンプで捉えなければならない。
 この反射光の一部は、最終オプティクスを含む集積オプティクスモジュール(IOM)内を跳ねまわり、強い集光ビームとなり、GDS出口面上のIOMの迷光吸収ガラスを損傷する強度の「ゴースト」になる。科学と技術リーダー、Jeff Bude氏は、「レーザを打つたびにIOMを損傷し、GDS全体にデブリをまき散らした」とコメントしている。
 デブリ粒子は、GDS上に数千の潜在的損傷サイトを作り出し、その多くは、NIFの高エネルギーレーザビームに晒されると、最終的にはオプティクスを使えなくなるほどに成長した。
 こうした反射光問題を解決するために、ゾルゲル化学プロセスによって作られたLLNL開発のコロイドシリカ粒子コーティングをGDSのグレーティング面に採用した。これらの粒子は、表面を変える化学物質で処理され、湿度や他の環境要素の影響を免れるようにしている。テストにより、GDSコーティングとしての利用が適切であることが示された。そのコーティングを適用するために、研究チームは、GDSオプティクス出口面のホログラフィックグレーティングのリソグラフィインプリンティング工程を変更する必要があった。標準およびコーティングしたGDSの両方を用いた制御実験は、ビームコントラスト低減など他のレーザ改善と組み合わせ、問題の損傷サイト数の減少が50倍以上となることを示した。
(詳細は、www.llnl.gov)