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イオンの流れを光によってスイッチングできる固体材料の合成に成功

April, 13, 2017, 京都--JST戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)の一環として、京都大学 高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(ICeMeMS=アイセムス)の堀毛悟史准教授、北川進拠点長・教授、フランスIRCELYONのオード・デメッセンスCNRS研究員らの共同研究グループは、金属イオンと有機物からなる結晶中でイオンの流れを光でスイッチングできる新たな材料の合成に成功した。
 固体中でさまざまなイオンを伝導、輸送する物質(固体イオン伝導体)は、例えば携帯電話の電池や、水素ガスと酸素ガスから電力を作る燃料電池を搭載した車の性能や安全性の向上に必須の材料。このようなイオン伝導体は、ある温度で電圧を加えるとイオンを流し始めるが、電圧だけではなく、光のような刺激によってイオンの流れを任意にスイッチできれば、電池用途にとどまらないデバイス応用の可能性が生まれる。しかし従来はこのように固体の状態で刺激に応答するイオン伝導体の設計は困難だった。
 共同研究グループは、金属イオンと有機物が結合してできる「配位高分子」と呼ばれる結晶材料を用い、その結晶の内部に光応答性をもつ分子を均一に分散させることにより、新たな光応答性イオン伝導体の開発を行った。この材料に光をあてると、イオンの一種である水素イオン(プロトン、H+)を伝導するようになり、光を止めるとその伝導も停止する。この機構を応用すれば、不揮発性のメモリや電気を蓄えるコンデンサ、あるいは光駆動するトランジスタなどの研究開発に大きく貢献すると期待される。

研究成果は、Angewandte Chemie International Edition Hot paperに公開されている。
(詳細は、www.jst.go.jp)