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超短パルス光焼結の進歩がエレクトロニクス製造を改善

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March, 14, 2017, Corvallis--最先端のフレキシブルエレクトロニクスの製造高速化は、オレゴン州立大学(Oregon State University)の工学部研究チームによる発見の潜在的なメリットの一部である。
 銀ナノ粒子フィルムのフォトニック焼結をよく観察することで研究チームは、膜の温度と焼結との関係を明らかにした(超短パルス、IPLの利用で機能伝導ナノ粒子を素早く溶かす)。IPLの高密度化がナノ粒子薄膜、パタンの密度を高め、高密度化することで伝導性が向上するなど、機能改善につながる。
 パルスエネルギーに変化はなくても、研究チームはIPLにおける温度の転機を見出した。IPLの高密度化が、ナノ粒子の光からエネルギーを吸収する能力を低下させるためにこの転機が現れることが分かった。
 これは、光吸収と高密度化との間のこれまで知られていなかった相互作用であり、これによって温度転換後、高密度化が横ばいになり、大規模、高速のIPLが、スケーラブルで効率的な製造プロセスとしてその潜在性がフルに実現する理由が新たに分かった。
 OSU機械工学准教授Rajiv Malhotra氏によると、アプリケーションによって最大密度が必要なものと、そうでないものとがある。「IPLの高密度化は温度依存が大きいので、プロセス中の温度変化を理解し制御することが重要だ。この研究は、IPLにおける非常に優れたプロセス制御、装置設計につながるものである」と同氏は説明している。
 強いパルス光焼結で高密度化は、オブンやレーザベースの従来型焼結プロセスと比べてより大きな領域で促進される(ほんの数秒)。IPLは潜在的にナノ粒子の焼結に使用できる。アプリケーションはプリントエレクトロニクス、太陽電池、ガスセンシング、光触媒など。
 以前の研究によると、ナノ粒子の高密度化はパルス当たりの臨界光フルエンスを超えると始まるが、一定数のパルス以上には変化しない。
 OSUの研究は、一貫したフルエンスで高密度化が横ばい状態になるパルスの臨界数が存在する理由を説明している。
「たとえ光エネルギーに変化がなくても、高密度化が不十分であっても、密度の横ばいは起こる。ナノ粒子膜の温度履歴、つまり温度の転機が原因で横ばいは起こるのだ。欲しい膜密度を確保するには、フルエンスとパルスの組合せは慎重に考慮される必要がある」とMalhotra氏は話している。
 高フルエンスパルスの数がもっと少なければ、高密度は素早く生まれる。密度制御を高めるには、もっと多くの低フルエンスパルスが必要になる。
「われわれは、この作業では、最大温度約250℃、20秒程度で焼結している。われわれが行ったごく最近の研究では、2秒以下の焼結が可能である、温度はもっと低く、120℃程度。低温化は、フレキシブルエレクトロニクス製造には重要である。コストを下げるために、これらのフレキシブルエレクトロニクスを、紙やプラスチックのような基板でプリントしたい。こうした基板は、高温では燃えるか溶けてしまう。IPLを使うことで、より高速で安価な、製品品質が落ちない製造プロセスを実現することができる」とMalhotra氏はコメントしている。
 同氏によると、研究から進化する製品は、無線IDタグ、広範なフレキシブルエレクトロニクス、ウェアラブル生体センサ、環境応用のセンシングデバイスである。