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フォトン光源が量子コンピューティングを現実に引き寄せる

November, 25, 2016, Cork City--チンダル国立研究所(Tyndall National Institute)の研究チームは、量子コンピュータの利用を予想よりも早く可能にする技術的ステップを開発することで、「飛躍的進歩(クオンタムリープ)」を成し遂げた。
 従来のデジタルコンピューティングはON/OFFスイッチを利用するが、量子コンピューティングは物質の量子状態を利用する。光のエンタングルフォトン、原子の多重状態などを使って情報をエンコードする。理論的には、これによって遥かに高速で強力なコンピュータ処理に行きつけるが、量子コンピューティングを支える技術の大規模開発は、現状では難しい。
 研究チームは、エンタングルフォトンを生成できる量子ドットLEDを作ることによって一歩前進した。理論的には、量子コンピューティングに情報をエンコードできることになる。
 エンタングルフォトンを生成できるLEDの実現はこれが初めてではないが、論文にある方法と材料は将来の量子技術にとつて重要な意味をもつ、とチンダル国立研究所、ナノ構造物理学エピタキシ長、Emanuele Pelucchi氏は説明している。
 「今回の新しい開発は、容易に入手できる材料と従来の半導体製造技術を用いて電気駆動量子ドットのスケーラブルなアレイを開発したことである。われわれの方法は、これらのエンタングルフォトン源に向かって進むことを可能にする」と同氏は話している。
 「量子ドットの位置を制御しそれらを大規模に作製できることは、技術の発展にしたがい、量子コンピューティング技術の利用拡大を支えるための重要要素である」。
 チンダルの技術はナノテクノロジーを使ってピラミッド形状の量子ドットアレイに電気を供給し、エンタングルフォトンを生成させるものである。Dr Pelucchiによると、ピラミッド構造全体の固有のナノスケール特性を利用する。特に、改良した自己組織化垂直量子ワイヤを利用し、量子ドット近傍に選択的に電流を注入する。
 「報告された成果は、数千を超えるソースが協調動作する量子情報処理作業のために設計された集積量子光回路の実現に向けた重要なステップである」。
 論文’Selective carrier injection into patterned arrays of pyramidal quantum dots for entangled photon light-emitting diodes’は、Nature Photonicsに発表されている。