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メタマテリアルにより半導体フリー・マイクロ電子デバイスが可能に

November, 14, 2016, San Diego--UCSDの研究チームは、初めて半導体フリ―、光学制御マイクロ電子デバイスを作製した。
 メタマテリアルを使うことで研究チームは、マイクロスケールのデバイスを造ることができた。デバイスは、低電圧および低出力レーザで活性化すると導電性が1000%増加する。
 この発見は、より高速で、より多くのパワーを扱えるマイクロ電子デバイスに道を開き、より高効率の太陽パネルにつながる、と研究チームは、Nature Communicationsに発表している。
 トランジスタなど、既存のマイクロ電子デバイスの能力は、半導体などの構成材料の特性によって制限されている。
 例えば、半導体はデバイスの導電性、つまり電子の流れに制限を課す。半導体にはバンドギャップがあり、電子を流すには外部のエネルギーの後押しを必要とする。電子は半導体を流れる際に常に原子と衝突するので、電子速度は制限を受ける。
 こうした課題に対処するために、研究チームは、シリコンウエファ上にメタサーフェス、改良面で構成されるデバイスを作製した。これは、SiO2層に挟まれている。メタサーフェスは、並列金アレイ上の、金のマッシュルーム状ナノ構造アレイでできている。
 金メタサーフェスは、低DC電圧(<10V)と低出力赤外レーザの両方を印加すると、メタサーフェスが「ホットスポット」を生成するように設計されている。スポットは高強度電界を持ち、金属から電子を引き出して空間に放出できるだけのエネルギーを供給する。  デバイスのテストでは、導電性に1000%の変化が認められた。この研究の筆頭著者、Ebrahim Foratiは、「操作できる電子が多いということだ」とコメントしている。  「これが全ての半導体デバイスを置き換えることにならないことは確かだが、ある特殊なアプリケーション、例えば高周波、ハイパワーデバイスなどにはベストなアプローチになる可能性がある」と応用電磁グループのDan Sievenpiper教授は話している。  研究チームによると、この特殊メタサーフェスは概念実証として設計された。別のメタサーフェスを設計し、多様なタイプのマイクロ電子デバイスに最適化する必要がある。