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ナノワイヤセンサをAFMに利用

November, 4, 2016, Basel--新しいタイプの原子間力顕微鏡(AFM)でナノワイヤを微小センサとして利用する。標準的なAFMと違い、ナノワイヤを実装したAFMは力のサイズと方向の両方の計測が可能になる。バーゼル大学とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームは、この研究成果をNature Nanotechnologyに発表した。
 ナノワイヤは極微小フィラメント状結晶で、様々な材料の分子で構成され、その非常に優れた特性のために世界中の研究者が積極的に研究している。
 ワイヤは通常直径100nm。微小であるために、体積に比して非常に大きな表面を持つ。小さな質量と欠陥のない結晶格子であることからナノワイヤは、多様なナノメートルスケールのセンシングアプリケーションにとって非常に魅力的である。例えば、生物学的、化学的サンプル、また圧力センサ、電荷センサとして注目されている。
 スイスナノサイエンス研究所(SNI)、バーゼル大学物理学部の研究チームは、ナノワイヤがAFMで力センサとして使用できることを実証した。その特殊な機械特性に基づいてナノワイヤは、2つの垂直軸に沿ってほぼ同じ周波数で振動する。それをAFMに搭載すると、研究者は様々な力によって生ずる垂直振動の変化を計測することができる。基本的に、ナノワイヤは微小な機械的コンパスのように使用され、周辺力の方向と大きさの両方を示す。
 バーゼル大学の研究チームは、ナノワイヤセンサを使って、模様のあるサンプル表面をどのように画像化したかを発表している。ナノワイヤを作製したEPFLの研究者とともに、ナノワイヤ「コンパス」を使いサンプル表面上の2D力場をマッピングした。原理証明として、研究チームは、微小電極によって生じたテスト力場もマッピングした。
 実験の最も困難な技術側面は、表面情報のナノワイヤをスキャンし、同時に2つの垂直方向に沿ってその振動をモニタする装置の実現であった。この研究によりチームは、AFMの多くのアプリケーションをさらに広げる新しいタイプのAFMを実証した。
 現在、様々なタイプのAFMはほどんど、機械的センサとして結晶シリコンでできたカンチレバーを使用することが多い。「遥かに小さなナノワイヤセンサに移行することで、すでに非常に大きな成功を収めている技術をさらに改善することさえ可能である」とMartino Poggio教授はコメントしている。