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新しいセンサで死に至る可能性がある細菌感染と闘う

September, 13, 2016, Washington--命にかかわる危険性があるE. coliバクテリアを、従来の検査室テストよりもはるかに高速に、15~20分で検出できる新しいセンサが開発された。
 E. coliは汚染された食物や水によって伝染され、特に子供や老人には危険である。
 カナダのケベック大学フォトニクスリサーチセンタとインド技術研究所(Indian Institute of Technology Kanpur)の研究チームは、広い温度範囲で経済的に素早くE. coliを検出できる新しいセンサを開発した。
 インド技術研究所Kanpurの物理学者、Saurabh Mani Tripathiは、「現在の技術はほとんどサンプルの増幅に基づいており、これを使うと細菌の検出に数時間から数日かかる。既存技術よりも高速で正確な代替法が望ましい」と言う。細菌の高速テストは、患者の迅速な処置につながり、またより安価で容易な環境モニタリングが可能になる。
 新しいセンサは、バクテリオファージを使用する、これは自然に細菌に取りついて殺すウイルス。そのウイルスは光ファイバの表面に付着し、サンプルからE. coli細菌を取り出して保持する。光ビームがその表面に当たると、E. coliの存在が波長をシフトさせ、細菌汚染の明らかな兆候が現れる。
 細菌検出に光ファイバを使用する際の課題の1つは、温度変化が材料の光学特性を変えることである。したがってセンサは、特定の温度で動作するように設計されていることが多く、サンプルが高温あるいは低温になりすぎたりすると読み取りが不正確になる。
 研究チームは、光コンポーネントを追加して温度に起因するシフトをキャンセルすることによってこの課題を克服した。デバイスは、約20~40℃の範囲で温度の影響を受けない。
 温度の影響を受けないことで、センサは貯水池のオンサイトモニタリングなど、屋外のアプリケーションで、より実用的になっている。また、食品産業や病理検査室もこの新しいセンサの可能なユーザとなる。センサは、バクテリオファージを変えることで他の細菌を発見できるように変更可能である。