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3Dイメージングの顕微手術への応用

August, 24, 2016, Heidelberg--ライブ3Dイメージングは今日最もホットなトピックの1つであり、医療イメージング力を変革し、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の背後にある没入型経験を提供する。デューク大学(Duke University)のDr. Joseph IzattとマイクロソフトのBernard Kress氏は、ドイツで開催されたLight the Futureで、このような技術が医療の進歩を促進し、人とコンピュータの相互作用の仕方の将来を変えるとの見方を紹介した。
 Izatt氏が紹介した最新の光学技術は、ミクロン精度を外科手術に提供するものである。同氏は特に、リアルタイムイメージング技術、ARとVR、外科用ロボット工学の統合がそのような先進的な機能をを促進すると見ている。
 OCTは、すでに毛細血管一本のレベルまで、網膜内の血管網全体をマッピングできる。GPUのコンピューティングパワーにより、様々なディスプレイ法で、手術中の外科医に画像をリアルタイムで提供することで、この3D解像度の真価が顕在化し始めている。
 Izatt氏のチームは、OCTハードウエアを眼科手術で一般に使用される手術用顕微鏡に組み込む方法を開発した。例えば網膜は、濡れたティッシュペーパーのような粘度があり、手術は複雑で繊細な手術技術を必要とする。
 同氏が大きな課題と考えている点は、この3Dイメージングの医師への表示方法である。研究チームは、ライブOCT画像を外科医の顕微鏡接眼レンズに組み込むために開発したステレオヘッドアップディスプレイで成功を収めている。しかしこれは扱う視野が相対的に小さく、医者にとってもっと先進的な視覚化の開発で大きな可能性がある。
 すでに3D TVディスプレイを採用している手術室もあり、これは顕微鏡を覗くような身体的な不安感はない。視野はわずかに大きく、55°程度であるが、ヘッドマウントAR/VRディスプレイには大きな可能性があるとIzatt氏は見ている。つまりフル4πステラジアン視野に一段と近づける。言い換えると、外科医はどの角度からもこのような立体画像を見ることができる。
 ヘッドマウントディスプレイ利用の課題は、意外にも、ディスプレイと立体遠近感を医師の直感的な視覚と手の協調関係に適用するときに生ずる。ここでは、ロボット工学の力覚制御、つまり触覚駆動に大きな可能性があるとIzatt氏は見ている。適切なレベルの感覚フィードバック、協調制御は顕微手術の精度向上だけでなく、患者にとっての安全性も向上させる。