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Science/Research 詳細

ワシントン大学、光の速度でイメージング

July, 12, 2016, Washington--ワシントン大学の研究チームは、現在の市販カメラよりも100倍程度高速で画像を撮ることができ、同時により多くの画像フレームも撮れる新しいカメラ技術を実現した。新技術は、神経の発火、化学反応、燃料の燃焼、化学薬品の爆発など、極めて高速のプロセス研究に多くの新たな可能性を開く。
 ワシントン大学生体医用工学のLihong V. Wangの研究チームは、以前にシングルショット圧縮超高速写真(CUP)カメラを開発していた。このカメラは、1回のカメラ露光で1秒に1000億フレームの速度で撮像できる。これは、進行する光パルスを撮ることができる速度である。このカメラは、レシーブオンリーの世界最速カメラである、つまりイメージングには得られる光を使い、レーザや他の光源からの追加発光を全く必要としない。
 Optica発表の論文では、研究チームは、CUPで撮った画像の解像度と品質を改善する新しい方法について報告している。CUPは、空気中を進むピコ秒レーザパルスの映像を捉え、CUPのアップグレードを実証している。また、プリントアウトした玩具の自動車にレーザを当てて、異なる時間に自動車の異なる部分に届く光の映像を造った。

神経発火を観察
 研究チームは、脳の神経ネットワークがどのように動作するかを理解することに特に関心を抱いている。顕微鏡付の新しいカメラを使うことで、100m/secを超えるスピードで軸索を移動する活動電位と言う高速の化学プロセスを捉え、神経の発火を見ることができる。
「われわれの新しいカメラを使って生きた動物の神経ネットワークの活動を研究したい。これによって、神経がどのように接続されているかだけでなく、神経ネットワークがどのように機能するかが明らかになる。神経ネットワークを街の通りであると仮定すると、現在は通りのレイアウトを見ることができるが、われわれがはシステム全体がどのように機能するかを理解するために交通を見たい」とWang氏は説明している。
 改善された画像解像度と品質は、そのカメラが、最初の活動電位、多様な速度での伝搬、シグナリングの終端も含め、活動電位全体の把捉が向上可能であることを意味する。
 「生物学的反応は、標準的なカメラが撮像できる以上にに速い、非常に速い。現在、そのようなイベントを研究しようとすると、ポンププローブ法を使うが、この方法では何度も反復が必要になる。われわれのカメラは単一のイベントをリアルタイムでイメージングし、それを1ショットで、極めて高速に捉えることができる」とWang氏は説明している。
 カメラは、得られる光で撮像できるので、何光年も離れた超新星の活動を記録する望遠鏡にも使用可能である。CUPカメラは、例えば、ハブル(Hubble)のような宇宙望遠鏡に高速イメージングを装備すると、大気に乱されることのない高い空間分解能が可能になる。
 また、このカメラは、爆発のイメージングなど、他のアプリケーションにも非常に有用である。例えば、化学反応は反復されないので、単一のイベントをリアルタイムですべて捉えることが重要である。このカメラは、例えば車の燃焼効率改善の目的で燃焼を研究する研究者にも役立つ」
 元のCUPカメラは、ストリークカメラの1次元視野に二次元を追加している。ストリークカメラは、極めて高速のタイプであり、時間経過とともに光パルスの強度変化を計測することができる。このイメージングアプローチは、カメラが捉えた生データから直接画像を作れないので、データを画像に変換するためのコンピュータアルゴリズムが必要になる。
 新しい研究では、研究チームは、画像再構成のための情報を増やす外部CCDを追加し、画像品質を向上させた。また、研究チームは新たなアルゴリズムを開発して、外部CCDからのデータとストリークカメラからのデータを融合させた。その改善により、研究チームはさらに高精細な解像度、より優れたコントラスト、鮮明な背景を持つ画像を生成することができた。