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光でトランジスタレーザのスイッチングを高速化

June, 14, 2016, Champaign--光と電子は光デバイスの中で複雑に相互作用する。イリノイ大学(University of Illinois)工学研究チームの新しい研究によると、次世代の高速コンピューティング向けデバイス、トランジスタレーザでは、光と電子が相互に刺激し合い、利用可能などんなデバイスよりも高速スイッチングを実現する。
 電気・コンピュータ工学教授、Milton Fengによると、光ファイバケーブルや高速データ伝送に用いられているダイオードレーザのような従来技術は、スイッチング速度の上限に達しつつある。次世代の技術、トランジスタレーザは、100倍高速にできる。
 ダイオードレーザは2ポート、電気入力と光出力がある。それに対して、トランジスタレーザは3ポート、電気入力、電気と光の両方の出力ポートを持つ。
 3ポート設計により、研究者は、電子と光との複雑な物理学を利用することができる。例えば、半導体材料における電流の最速スイッチングは、トネリングというプロセスで電子が材料のバンドをジャンプする。フォトンは電子のシャトル輸送に役立つ、フォトンアシスト・トネリングというプロセスであり、これによってデバイスは著しく高速化される。
 最新の研究では、トランジスタレーザの中でフォトンアシスト・トネリングが起こるだけでなく、レーザキャビティ内のフォトン吸収プロセスも誘導し、デバイスの光スイッチングが一段と速くなり、超高速信号変調が可能になる。
 「コレクタはレーザからフォトンを吸収して非常に素早いトネリングを可能にするので、電流変調を用いるよりもはるかに高速な直接電圧変調方式となる。また、誘導フォトンアシスト・トネリングプロセスは、標準的なフォトンアシスト・トネリングよりも遥かに高速であることが実証されている。これまでエンジニアは、トランジスタレーザを持っていなかったので、このようなことの発見には至らなかった。単なるダイオードレーザでは、これは発見できない」。
 Feng氏によると、これは科学的観点の実証にとどまらず、高速デバイス変調にも極めて有用である。「レーザを直接変調でフェムト秒レンジにすることが可能である。これによって、膨大な量のエネルギー効率の優れたデータ転送が可能になる」と同氏は説明している。
 研究チームは、トランジスタレーザの開発を継続し、エネルギー効率のよいビッグデータ転送のためのこの技術の商用化に向けて業界パートナーを形成するとともに、その固有の物理学の探求も行う。