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カラー画像と近赤外線画像を同時に撮影可能なイメージングシステムを開発

June, 6, 2016, 東京--東京工業大学工学院システム制御系の奥富正敏教授らと、オリンパス技術開発部門は、カラー画像と近赤外線画像を1つの撮像素子で同時に撮影可能なイメージングシステムのプロトタイプを開発した。
 近年、カラー画像と近赤外線画像を利用したコンピュータビジョンおよび画像処理技術応用の発展が著しく、これらの画像を同時に取得したいという要望が高まっている。開発したシステムでは、可視光(カラー情報)と近赤外光を同時に撮像可能な撮像素子および撮像データをリアルタイムで処理する画像処理システムを開発することで、1つの撮像素子によるカラー画像と近赤外画像のリアルタイム同時撮影を実現した。
 新システムは、次世代の画像センシング技術として、リモートセンシング、セキュリティ、ロボティクス、農業、医療等の幅広い分野への発展が期待される。
 現在広く普及する汎用カラーデジタルカメラやスマートフォンのカメラでは、単板撮像素子とカラーフィルタアレイ(CFA)を用いた撮影技術が広く採用されている。CFAは、R、G、B、それぞれのカラーフィルタをアレイ状に配置したものであり、現在多くのカラーデジタルカメラでは、ベイヤーCFA[Rフィルターを25%、Gフィルタを50%、Bフィルタを25%の画素密度でアレイ状に配置したものが採用されている。CFAは撮像素子上に装着され、撮像素子の各画素ではRGBのうちの1つの画素値のみが記録されるため、CFAを通して得られるデータはモザイクデータとなる。フルカラー画像は、撮像素子により得られるモザイクデータに対し、デモザイキング処理 [カラーフィルターアレイを通して撮像素子に記録されるモザイク状のデータを補間し、フルの画像を生成する処理] と呼ばれる補間処理や、色補正等の画像処理を行うことにより生成される。これにより、現在の汎用カラーデジタルカメラやスマートフォンのカメラでは、1つの撮像素子による安価で簡便なカラー画像撮影を実現している。
 研究開発では、単板撮像素子とCFAを利用した方式により、高画質なカラー画像と近赤外線画像を同時に撮影可能なイメージングシステムのプロトタイプを開発した。開発したプロトタイプシステムは、新規開発した近赤外線フィルタを有するCFAを備える撮像素子および撮像データをリアルタイムで処理する画像処理システムにより構成される。画像処理システムでは、デモザイキング処理、色補正処理等の各種画像処理をリアルタイムで行い、撮影したカラー画像と近赤外線画像を、同時にリアルタイムでディスプレイ出力可能である。
 単板撮像素子を用いたカラー画像と近赤外線画像の同時撮影では、CFAの配置と画像処理アルゴリズムの設計が、高画質な画像を得るための鍵となる。研究開発では、高画質な画像生成の実現のため、新しいCFAの配置およびデモザイキング処理を同時に提案することで、高精度なイメージングシステムを実現した。
 開発システムは、次世代の画像センシング技術として、リモートセンシング、セキュリティ、ロボティクス、農業、医療等の幅広い分野への発展が期待される。