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EPFLの研究者、消防士向けに拡張現実カメラを開発

May, 26, 2016, Lausanne--スイス連邦工科大学(EPFL)の研究チームは、赤外線画像カメラを組み込んだスマートバイザの開発に取り組んでいる。消防士がリアルタイムで夜でも煙の中でも、周囲のもの見ることができるようにすることが目的。
 全ての消防士、ボランティアも専門職も同様に、煙への対処の仕方を学ばなければならない。しかし、直面する危険は火だけではない。毒性の、足を踏み込めない煙、暗さで危険が増し、消防士の進行を妨げる。20kg以上の防護服を身に着けた消防士は、ホースを引きずり、さらに周囲を分析し、犠牲者を見つけるために赤外線カメラを持っている。
 画像視覚表示研究所でVIZIRプロジェクトにかかわるAdrien Birbaumer と Martijn Boschは,「消防士は実際、赤外線画像カメラに頼っているが、それは邪魔になり、部屋を分析しようとすると探索を妨げる」とコメントしている。このような不利な条件を克服するために、EPFLの2人の研究者は消防士の両手を自由にするソリューションを開発した。このソリューションは、小型赤外線カメラをヘルメットに装着し、酸素マスクに透明のスクリーンを組み込んでいる。
 両氏の説明によると、このような装備により消防士は、視界に2つの画像を見ることになる。自らの目で見るものと赤外線カメラが記録してリアルタイムで表示するものとである。これにより、消防士は、探索プロセスを妨げられることなく、楽に動き回り、障害を避けることができるようになる。Birbaumerは、「われわれは、ホットゾーンとコールドゾーンとを表示する最もよい方法に取り組んだ。言うまでもなく、赤と青を使用するが、透明な表面で見ることができるように適切な色調を見つけ出さなければならなかった」とコメントしている。
 研究チームは現在、プロトタイプ、拡張現実メガネをテストしている。
 次のステップは、酸素マスクそのもののスクリーンに組込み、ワイヤの一部を除去することで軽量化することになる。