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半導体の記録的な光学非線形性を実証

May, 17, 2016, Rochester--フォトニクスアプリケーションは、非線形光学と言われるものに大きく依存している。非線形性とは、透過する光強度に依存した材料の振る舞い方の違いである。非線形性が大きければ大きいほど、その材料は実際のアプリケーションでますます有望になる。
 ロチェスタ大学の光学と物理学教授オタワ大学量子非線形オプティクス・カナダエクセレンスリサーチチェア、Robert W. Boydをリーダーとする研究チームは、透明な伝導性インジウムスズ酸化物(ITO)が、これまでに知られている材料に対して100倍大きな非線形性を示すことを実証した。
 フォトニクスは光を使って情報を伝達する。また、光を使ってエレクトロニクスと同じ論理動作を行う。光を制御できるポイントは、特異的性質、つまり光を透過する材料の屈折率を制御できることである。
 材料の屈折率を微調整し、光の透過を速くしたり遅くしたりすることは、フォトニクスアプリケーションが光を制御するための重要な方法である。多様な光強度に対して屈折率が異なる時、材料は光学的に非線形であると言える。
 光パルスを送って材料を透過させる時、屈折率はその強度にしたがって変化する。材料の屈折率変化はわずか数フェムト秒であり、最初のパルスを回復する前に、第2のパルスを送って材料を透過させることは可能である。この第2のパルスは、第1のパルスが変えた屈折率を持つ材料を「見る」ことになる。
 一般的に言って、このシステムがフォトニクスアプリケーションにとって魅力的になるのは、その材料が回復する速さと、材料の屈折率の強さ、材料の非線形性の強さの範囲である。
 Robert W. Boyd教授と、オタワ大学の学生M. Zahirul Alam、研究助手Israel De Leonは、光学的非線形性の以前の記録を向上させ、100倍にした。この向上は、エプシロンゼロとして知られるある条件下で起こる材料の異常な光学特性を利用した結果である。
 「既知の金属でそのように強力な光学的非線形性が、このように簡単に表れることは驚きだった。この材料は何年も前からどこにでもあるが、材料の”エプシロンゼロ”領域の可能性が見過ごされていた」とBoydはコメントしている。
 「われわれが観察した光学的非線形応答によって、非線形オプティクスで新しいパラダイムが開ける。常識では、非線形効果は、線形効果に比べるといつも非常に小さい。しかし、われわれの研究で計測した非線形応答は、線形応答よりも170%大きかった」とメキシコ、Tecnologico de MonterreyのDe Leon教授は話している。
 この材料の”エプシロンゼロ”領域の光は、特定周波数、1.2µm付近の波長にリンクしている。この波長に対する関心は存在する、と言うのは、それが可視光と1.55µm波長との間にあるためである。この波長は光通信では特に関心が強い、その波長が光で情報を伝送するための光部品などのデバイスを使うからである。
 材料の科学的組成における変化は、”エプシロンゼロ”が起こる周波数における変化につながっており、したがっとこの周波数は光通信で使用される波長にもっと近づけられる。