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太陽電池の光エネルギーアクセスをUVやIR領域に広げる3元ナノ結晶

April, 27, 2016, Hefei--半導体三元ナノ結晶は、太陽電池のアクセス可能な光エネルギー領域をUVや赤外領域に拡大する。
 結晶シリコンでできた一般的な太陽電池は、光エネルギーを電気に変換するためのアクセス可能な領域は太陽光スペクトル全体の約半分に過ぎない。中国の研究チームは、3つの半導体硫化結晶を結合して紫外(UV)から近赤外域までの照射を吸収する三元ナノ構造PVシステムとした。Angewandte Chemie誌掲載論文によると、そのナノロッドはすべてのスペクトルの光エネルギーを効果的に電流に変換する。この発見は、より効率的な太陽電池の開発における新たな水準を示すものと説明されている。
 今日、最も一般的に使用されるPV材料は結晶シリコンであるが、これは可視光領域の太陽光だけを吸収する。太陽スペクトルのわずかに違う領域をカバーする他の半導体材料もあるが、最も効率的なPV材料は、UVから赤外域までのすべての領域をカバーする材料であることは明らかである。合肥市(Hefei)の中国科学技術大学、Shu-Hong YuとJun Jiangの研究グループは、三元硫化結晶でできたナノ構造システムを発表した。亜鉛、カドミウム、硫化銅の三元ハイブリッド材料は、UV、可視光と近赤外光を効果的に吸収し、微小ロッドの分割されたノードシース構造により、電荷キャリアの効果的な蓄積に理想的なエルギーバンド配列を提供する。
 この集光システムの基盤は硫化亜鉛のナノロッドである。その上に、硫化カドミウムの結晶シースが真珠の配列のように堆積されている。硫化亜鉛基盤がUVを吸収し、硫化カドミウムが可視光域をカバーする。赤外吸収のための3番目のコンポーネントとして研究チームは、銅欠乏の硫化銅ナノ結晶を選択した。この材料は、表面プラズモン共鳴と言われる近赤外域での特別なタイプの吸収を特徴としている。
 ナノロッドをテストするために、研究チームは、光電気化学水分解セルでそのパフォーマンスを計測し、フルスペクトル照射により、光電流応答が明確に示された。これは、このPV材料の設計成功の初の実験的証拠である。しかし、この成果の重要な成果の1つは、異なる半導体構造を結合して半導体材料のエネルギーギャップを調節する敏感なヘテロジャンクションを正確に調整したことである。「そのような互い違いのアライメントにより、三元ハイブリッドナノ構造における光生成の電子とホールの分離が可能になる」と研究チームは、説明している。さらなる実験が必要であるが、この三元半導体システムは、新世代の効率的な太陽電池に向けた重要なステップと考えられている。