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広帯域可変中赤外エルビウム添加ZBLANファイバレーザ

April, 7, 2016, Adelaide--アデレード大学(University of Adelaide)で開発された画期的な新タイプのレーザは、グリーンガスのリモートセンシングにおける大きな進歩に有望視されている。
 アデレード大学とマクォーリー大学(Macquarie University)の研究チームは、新しいレーザが赤外スペクトルの広い範囲で動作可能であることを示した。
 Optics Lettersに発表された論文の筆頭著者、Dr Ori Henderson-Sapirは、「ほとんどのレーザは光の1波長でしか動作しない。このレーザが特別なのは、波長可変であるだけでなく、非常に広い波長域で可変できることだ」とコメントしている。
 同氏によると、このレーザはこれまでに実証された中で最大波長可変が可能であり、中赤外まで届く。これは室温動作のファイバレーザでは達成されていない。
 重要な点は、そのレーザが多くの有機分子の「分子フィンガープリント」が起こる波長範囲で動作することである。「フィンガープリント」は多様な周波数における光吸収のパタン。
 新しいレーザは、グリーンハウスガスを含む多くの炭化水素ガスが光を吸収する波長で動作する。つまり、このレーザの波長を変えることで、様々な化学物質光吸収パタンを高感度に計測できる」とアデレード大学の物理科学教授、プロジェクトリーダー、David Ottawayは話している。
 「したがって、少濃度のこれらのガスをかなりの距離から検出できる。メタン、エタンなどのグリーンハウスガスのリモート検出は、様々な潜在的排出源の区別で見込みがある。例えば自然ガス採取や農業など。また、関心のある範囲を正確に示すことができる」。
 将来の他の潜在的なアプリケーションには、病院で呼気の微量気体を分析して病気を発見する、例えばアセトンは糖尿病の人の呼吸に発見できる」。
 レーザは、取り扱いが容易な光ファイバを使用している。嵩張らず、持ち運びが容易である。また、他のタイプのレーザよりもはるかにコスト効果が高い。
 論文によると、新タイプのレーザは、希土類ドープのファイバレーザで、発振中心波長3.5µm、可変範囲は450nm。最長波長は3.78µm。誘電体ミラーをフィードバックに用いる光学的な調整で、レーザは3.47µmで回折限界に近い出力1.47Wが可能。これらの放射特性は、量子カスケードレーザを補完するものである。
 (詳細は、www.adelaide.edu.au)