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カメラに革命を起こす世界最薄レンズ

March, 23, 2016, Canberra--厚さが髪の毛の1/2000の世界最薄レンズが開発された。これにより柔軟なコンピュータディスプレイ、小型カメラにおける革命が可能になる。
 オーストラリア国立大学(ANU)工学研究部研究主任、Dr Yuerui (Larry) Luによると、この発見は二硫化モリブデン結晶の並外れた潜在力に依存する。
 「この種の材料は、未来の柔軟ディスプレイの完璧な候補である」とNEMS(Nano-Electro-Mechanical System)研究所リーダー、Dr Luはコメントしている。
 同氏によると、マイクロレンズアレイを使って昆虫の複眼を真似ることも可能になる。
 6.3nmのレンズは、メタマテリアルとして知られる50nm厚ゴールドナノバーアレイから作製した超薄型フラットレンズを凌駕する。
 二硫化モリブデンは高温にも耐え、滑らかで、優れた半導体であり、フォトンも放出する。
 「原子スケールで光の流れを操作する能力は、光コンポーネントの前例のない微小化、先進的光機能の統合への素晴らしい手段となる」。
 二硫化モリブデンは、ハイテクコンポーネントで注目された柔軟な電気特性を持つカルコゲナイドガラスとして知られているような種類の材料である。
 研究チームは、6.3nm厚(9原子層)の結晶からレンズを作製した。これは、粘着テープで、大きな二硫化モリブデンから剥がして作製した。
 次に半径10µmのレンズを作製。ここでは集束イオンビームを使用して1原子ずつ層を削り取り、最終的にドーム型のレンズを実現した。
 研究チームは、0.7nm厚の二硫化モリブデンの単層が驚くような光学特性を持っていることを発見した。38nmで、光ビームが50倍厚く見える。光路長として知られるこの特徴は、伝搬する光の位相を決め、光の干渉や回折に影響を与える。
 ウィスコンシン大学(University of Wisconsin)の協力者、Zongfu Yu准教授がシミュレーションを開発し、光が通過する前に高屈折率結晶内で何度も前後に跳ね返っていることを示した。
 二硫化モリブデン結晶の屈折率、光に対する材料の影響力を定量化する特性は、5.5と高い。因みに、ダイヤモンドは、その高い屈折率が輝きの原因であるが、わずか2.4、水の屈折率は1.3である。