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新しいプローブでエレクトロニクスとフォトニクスを統合

December, 24, 2015, Leuven--IEEE国際電子デバイス会議2015で、imec、KU Leuven、NERFは、CMOS適合プロセスを使って12のモノリシック集積オプトロードを統合する一連のシリコン神経プローブを発表した。
 そのプローブは、光遺伝学技術に基づいて個々のニューロンの光刺激と電子検出を可能にする。これは脳についての理解向上、アルツハイマー、統合失調症、自閉症、癲癇などの脳疾患に対する新たな治療に道を開く。
 脳疾患が患者個人や医療制度に課す大きな負担は、このような疾患を防ぎ、治療、治癒させる新たな方法を必要としている。脳の機能を研究するために神経活動を記録する現状の機器は一般に、電気チャネルの数が限られている。加えて、脳は多くの遺伝的および機能的に明確な神経タイプで構成されており、従来のプローブは、発信源に関して記録された電気信号の曖昧さを除去することができない。imecおよびKU Leuven(ルーヴェンカトリック大学)の新しい神経プローブはそうした問題に取り組み、脳の理解の促進に道筋をつけ、脳疾患に対する新たな治療オプションを可能にしている。
 両機関の新しいプローブは、エレクトロニクスとフォトニクスを統合して非常に高感度の計測ができるようになっている。完全集積インプラント可能神経マイクロシステムズは、細胞スケールで神経データの検出、処理、解釈を可能にした。同システムの特徴は、極めて高密度の電極とナノフォトニック回路(オプトロード)である。そのようなオプトロードは光遺伝学を利用して個々のニューロンを光学的に刺激するために用いられる。光遺伝学とは、神経が光に反応するように遺伝的に変更し、光パルスによる刺激の影響を受けやすくする技術。