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光メタマテリアルが屈折率ゼロの特殊な性質を持つことを理論的に解明

December, 18, 2015, つくば--物質・材料研究機構(NIMS) 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の石井智MANA研究者と、米国パデュー大学バークナノテクノロジーセンタのアフゲニー・ノルマノフ教授からなる研究チームは、金属と誘電体が周期的に積層したメタマテリアルが、特定の周波数の光に対して屈折率がゼロになるなど特殊な光学特性を持つことを、世界で初めて理論的に明らかにした。
 屈折率ゼロの物質中では、形状がどれほど曲がったりねじれたりしていても光を損失することなく伝播することができるため、今回の成果を実験的に発展させることで、新たな光学素子やフォトニック集積回路の実現が期待される。
 近年、メタマテリアルの中でも、金属と誘電体の周期構造を持つハイパボリックメタマテリアル(HMM)と呼ばれ、これまでにHMMを用いた超高解像度のレンズや、単一光子光源の発光効率の向上などが報告されるなど、HMMはメタマテリアルの中でも注目度が高くなっている。
 これまでHMMは、光がHMMに対して上面から進入した場合と側面から進入した場合、光の周波数によって金属的に振舞う(反射する)か、誘電体的に振舞う(負の方向に屈折する)かの2種類の応答だけだと考えられていた。今回、研究チームはHMM中の光の伝播を厳密に記述することに成功し、それらに加えて、特定の周波数(臨界状態)の場合には、実効屈折率がゼロになったり、光が円錐状に屈折したりといった特異な光学特性も得られることが分かった。
 研究チームは今後、この臨界状態での解析をさらに詳細に進めることで、光学素子やフォトニック集積回路への応用を目指す。
 研究成果は、Scientific Reports誌に掲載されている。