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島津、加工分野や計測分野向けに短波長レーザのラインナップ強化

October, 24, 2014, Tokyo--島津製作所は、微細加工に適した「ファイバ結合型高輝度青色半導体レーザHK-5650」を10月14日に発売した。同時に同社は、オキサイドの「連続発振266nm深紫外固体レーザFrequadシリーズ」の販売も開始し、高出力/高輝度短波長レーザのラインナップを拡充している。
 島津は、今後急拡大が見込まれている加工用レーザの世界市場を見据え、次世代高機能レーザ加工向け光源事業の確立に注力している。戦略商品の一つとして、10W出力のファイバ結合型高輝度青色半導体レーザHK-5650を開発した。
 半導体レーザは小型で電気-光変換効率が高く、大量生産による低コスト化が可能であるという利点があるものの、高出力化には発光面積の拡大に伴い輝度が低下し、さらに赤外光のため、従来は加熱用途やプラスチック溶着の用途に限られてきた。
 新製品HK-5650は、金属への吸収率が高い、450nmの短波長において従来の16倍の輝度を実現し、スポットサイズが極小のため、加工材料の多様化への対応やスマートフォンに代表される電子デバイスの小型化に伴い需要が伸びている金・銅などの高反射・高熱伝導率材料の微細加工や近年注目を浴びている3Dプリンタ等に利用できる。また次世代照明として研究が進められているレーザ励起白色蛍光体の励起用光源等にも適している。またフレキシブルに伝送可能なファイバ結合型を採用しているため、自由度の高い取り回しが可能で汎用性に優れている。

ファイバ結合型高輝度青色半導体レーザHK-5650の特長
1. 業界最高クラスの高輝度を実現
ブルーレイディスク、プロジェクター等に用いられるGaN系半導体レーザをベースに、光学機器精密組立技術、高耐性コーティング技術に加えて、新たに開発した光多重化技術を用いてファイバ結合型青色半導体レーザの輝度を従来の16倍に向上させることに成功。スポットサイズがφ100μmと極小であり、微細加工用途にも適している。
2. 新たなアプリケーションの提供
450nmの短波長を用いており、金や銅などの金属への吸収率が高いため、基板の配線パターン加工や半導体薄膜加工などの微細加工に適している。
 またレーザの指向性という特長を活かして、蛍光灯・LEDに続く次世代の照明として研究が進められているレーザ照明の光源としても期待される。
3. 優れたコストパフォーマンス
青色半導体レーザを直接レーザ加工に用いるため、固体レーザ・ファイバレーザを用いた固体グリーンレーザよりも安価で、消費電力は半分程度。さらに炭酸ガスレーザ、固体グリーンレーザと比較してメンテナンス性も優れている。

オキサイドの266nm DUVも販売
 島津は、オキサイドが開発・製造する「266nm深紫外固体レーザFrequadシリーズ」の販売を開始した。同シリーズレーザは、0.005pm以下の狭スペクトル幅の単一波長光源であり、分析計測装置や半導体検査装置の光源に適している。出力は10mWから2Wまでの4種をラインナップしており、広い用途に対応可能。青色光源に続き、島津は「これまで当社が有していなかったUV領域へのレーザ展開を図っていく」と説明している。