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Basler boostシリーズカメラ、量産出荷開始

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November, 25, 2019, 東京--高速インタフェースCoaXPress 2.0準拠、高画質SONY製CMOSセンサ(IMX255 9MPixel, IMX253 12MPixel)搭載「Basler boost」シリーズが、2019年12月にリリースされる。
 専用インタフェースカードとケーブル付属評価セット利用により、容易に高解像度高速を実現するカメラシステムを構築できるようになっている、と国内販売元、LINXは説明している。
 新製品の最大の特徴は、ケーブル1本で最大12.5Gbpsの高速データ転送ができる点にある。画像補正機能のPGIや6軸色調整機能、ビネッティング補正機能など、便利な独自機能搭載もBasler boostの大きな特長。

パフォーマンスセグメント、「Basler boost」
 製品検査の現場では検査対象の微細化が進んでおり、視野はそのまま、解像度は現状以上に確保しなければならない状況が生まれている。生産性の観点から、高解像度であってもフレームレートが落ちないよう、高速読み出しができるカメラシステムが求められている。
 一方、カメラ市場をメーカーの観点で見ると、インタフェースに関しては、CoaXPressのプロトコルがCXP2.0に更新され、12.5Gbps/chを実現できるようになってきている。CoaXPressの物理層ICチップも、市場競争により低価格化が進んでいる。また、複数のセンサメーカから、高速・高解像度のCMOSセンサが次々と上市されている。
 このような要因により、従来ハイエンドと捉えられていた高解像度・高速読み出しカメラのセグメントは、価格面でも大きな変化を遂げてきている。Basler社ではこのセグメントを“パフォーマンスセグメント”と名付け、そこに対応する新たなプラットフォーム「Basler boost」を完成させた。

新たなインタフェーストレンド:CameraLinkからCoaXPressへ
 日本市場では、カメラシステムの安定性を担保するために、大容量のデータ転送をCPU負荷なしに実現できるDMA転送が重宝され、CameraLinkが今でも根強い人気を誇っている。
 以下では、マシンビジョンにおいて要求される仕様面で、CoaXPressがCameraLinkに対してどのように優れているか比較してみよう。

 フレームグラバーを要する点においては、どちらも同じハードウェア構成であるが、Baslerはboostシリーズ専用のCoaXPressインタフェースカードを用意している。これは、一般的に市場で入手できるフレームグラバーボードとは異なり、boostシリーズの機能のみをサポートすることで、様々なカメラの独自機能をサポートするために必要となるチップや開発工数を削減し、結果的に低コスト提供を可能にしている。GenICam規格対応CoaXPressでは、カメラメーカとボードメーカがどちらもツールを提供するが、それでも別々に設定を行わなければならないことに変わりはない。設定が少しでもずれていると画像取り込みがうまくいかない。フレームグラバーボードの使用にはノウハウが必要と言われる理由である。Basler boostはバンドルで提供可能なインタフェースカードとして利用することで、pylonを用いて一括でカメラとボードの設定が可能になる。目指したのはUSB3.0規格のような使いやすさで、開発工数の削減にも寄与できるような製品設計になっている。
 ケーブルの観点でもCoaXPressはCameraLinkに対して大きなメリットがある。CameraLinkの場合、255MBSを超える帯域(Medium/Full/Deca)で使用するためには、ケーブルが2本、フレームグラバーのコネクタ、物理層チップなどは2ch分必要となる。それに対して、CXP-12では12.5GBPSの帯域まで1chでカバーできるため、システム全体ではケーブル、ボードのコストダウンが可能である。

 マシンビジョン市場で重視される、映像伝送の品質を保ちながら高速に取り組むという課題に対し、Basler boostシリーズはCameraLinkと比較して効率的に、しかも安価なシステム構築を可能にしている。

パフォーマンスセグメントで、求められていることは、以下の3点である。
① 高速・高解像度を両立した新世代CMOSセンサの性能を十分に発揮
② ケーブル1本当たりで十分な伝送帯域を確保することでコスト低減も実現
③ システムのメンテナンス性が高くシステム構築が容易
 このセグメントのシステムの拡張性を考慮すればBasler boostシリーズが最適なソリューションと言える。