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OSRAM、世界初の広帯域赤外LEDを発表

November, 7, 2016, Regensburg--オスラム(Osram Opto Semiconductors)は、コンバータ技術を初めて赤外エミッタに利用する。その結果、波長範囲650~1050nmの広帯域赤外光を発するLEDが実現する。主なアプリケーションは、例えば食品分析に使用できる、近赤外分光計である。
 SFH 4735でOsramは、世界初の広帯域赤外LED作製に成功した。素子は、近赤外分光用の光源に最適である。これは最近では様々な用途があり、食品の品質評価がそれに含まれる。オスラムのこの新しい開発によって、このセンサ技術はコンシューマ分野、例えばスマートフォンの拡張機能に進出できる。最初のミニ分光計はすでに紹介されており、新しいLEDの意味は、コンパクトな光源が利用できるようになると言うことである。

スマートフォンで鮮度を評価
赤外分光計はある分子化合物特有の吸収挙動を利用する。所定のスペクトルがサンプルに向けられると、反射光の波長分布からある含有物の存在と量を判定できるこの方法は、中でも食品産業や農業で利用されている。例えば、食品の水、脂肪、炭水化物、糖、タンパク質の含有量を計測することができる。このデータから、鮮度、品質あるいはカロリー含有量が分かる。
 新しい赤外LEDは、コンシューマ市場にもこのような計測技術を広げることになる。1つのオプションは、コンパクトなセンサ、例えばUSBスティックは、適切なスマートフォンアプリを用いるとカロリー、鮮度あるいは栄養素含有量を計測することができる。

赤外エミッタ向けに初のコンバータ
 SFH 4735の基盤は、UX:3技術の青色1㎜2チップである。その光は、このアプリケーション用に特に開発された蛍光体コンバータを利用して赤外発光に変換される。光の残余の青色成分は、ユーザが調べたい範囲を狙い定めるのに役立つ。SFH 4735の発光スペクトルは、赤外範囲で均質なスペクトル分布である。このチップは、優れた耐熱性を特徴とする実績のあるコンパクトなOslon Black Flatパッケージにマウントされている。

食品分析はバイオモニタリングを補完
 分光化学分析用のコンパクトユニットは、コンシューマエレクトロニクスに全く新しいアプリケーションを広げる。将来的には分光計を直接モバイル機器に統合することも可能であると専門家はみている。この新技術は、脈拍数やカロリー消費など様々なバイタルサインの計測トレンド、バイオモニタリングの自然な拡張である。スマートフォン分光計によりユーザは同じように、自身が食べる食品をモニタすることができる。薬物も同様にチェックできる。「発光範囲は、波長2000nmまで、つまり中赤外スペクトル範囲まで拡張可能と考えられる。これによってさらに正確で詳細な計測が可能になり、大気環境など、一定の環境パラメータを日々分析する新たなオプションが開ける」とOSRAMの赤外製品マーケティングマネージャ、Udo Jansen氏はコメントしている。