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インプラントに先立ち視覚シミュレータで人工レンズ設計をテスト

August, 23, 2016, Heidelberg--スペインの研究チームは、ハンドヘルド同時視覚シミュレータ(SimVis)のデモンストレーションを行った。SimVisにより白内障患者は、その装置を覗き見ることでインプラントレンズが視覚にどのように影響するかを経験することができる。
 今日、白内障患者は複数のタイプの人工レンズから選択する。これらは手術で目にインプラントされ、視覚の邪魔になる曇ったレンズと置き換える。新しい視覚シミュレータにより、患者は手術前にインプラントされる人工レンズの各タイプでどのように見えるかを体験することができる。しかしこの補正は完ぺきではない。自然のレンズは目の中で筋肉によって伸ばされその形状を変える。したがって、その焦点距離は、網膜で間近のものから遠くのものへ焦点がしっかり合っている。現在のインプラント眼内レンズは、このように形状を変える能力はない。その代りに、標準的な眼内レンズは単焦点である、つまり遠見だけを補正する。遠くのものには遠見視力を作り出すが、すぐ近くのものは霞む。患者は、近くの像を補正するためにメガネをかけることになる。また多焦点レンズがあり、これは近くのものと遠くのもの両方が同時に網膜に焦点を結ぶが、両方とも画像品質とコントラストがある程度劣化する。単焦点が選択される。また、市場に出てくるデザインが増えるにしたがい、特殊多焦点眼内レンズが増え続けている。
 SimVisは、電流の印加に応じて形状を変えるオプトエレクトロニック可変レンズを使用している。多焦点レンズをシミュレートするために、この可変レンズの形状は素早く切り替えられ、その結果、焦点位置における振動は人の視覚では感じられない。デバイスを通して見ている患者は、同時に近接距離と遠距離の両方に焦点を合わせる、また多焦点レンズが原因の画像品質とコントラストの劣化も経験する。
 プラスチックレンズが特定の焦点にとどまる時間を使って、その状態専用のレンズ度数を変えることができる。例えば、2焦点レンズで遠視度70%と近視度30%を遠視状態を14ms、近視状態6msでシミュレートし、このパタンを連続的に繰り返す。
 研究チームは、9名のボランティアにSimVisを使ってもらい、7種の異なるレンズを比較した。レンズシミュレーションに基づいて、被験者は明確な好みを指定した。
 研究チームは、現在SimVisの双眼タイプに取り組んでいる。これは、より小型であり、それぞれの目で異なるレンズをシミュレートすることができる。