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世界初、60 秒で液体の会合を測る 分子クラスタ分光装置の開発に成功

June, 29, 2016, 岡山--フェムトディプロイメンツ(FDI)は、液体 の会合状態や熟成具合を、約 60 秒で数値化する世界で初めての計測装置「iTaster」(コンセプトモデル)を 6 月 29 日から 3 日間開催される Drink JAPAN (東京ビッグサイト/ブース No.57-30)にて発表し受注を開始した。

 生活に不可欠の水や液体製品は、10 の24 乗個という無数の分子が織りなす複雑な混合物。その品質を真に把握し管理することは、現在の分析では難しい。
 液体が「今どういう状態なのか」を迅速に知り共有することは、これらのあらゆる場面に光を照らすことになる。FDI では、液体を真に理解し、誰もが安全安心な製品を手にすることをミッシ ョンとしている。これを実現する最高の手段として、渡部メソッドを確立した。
 渡部メソッドで、飲料製品・化粧品・医薬品にはじまる各々の液状製品の検査に「新たな指 標」をつくり、研究開発、生産管理、品質管理に大きな改革をもたらすこと、日本初のこの技術が やがて世界の標準になると同社は考えている

iTaster について
上記ミッションの一環として FDI から飲料市場へ投入するのが iTaster 。これまでの検査装 置では飲料業界で重視される「分子クラスタ(分子の集合体)」の状態を数値化する事はできま せんでした。iTaster は渡部メソッドを活用する事で液体の分子クラスタを分光計測し、飲料の 会合や熟成の数値化を実現しています。

iTaster の特長
1. 分子間相互作用に強く反応するテラヘルツ電磁波による非破壊・瞬時性
2. セルレス液膜(空中に作り出した被検液体の均一な薄い膜)による安定した計測結果
3. ディスポカートリッジによるコンタミフリー計測
4. コンパクトデザイン&簡単操作
5. 計測データのクラウド分析

渡部メソッド
渡部メソッドは、基盤技術としてフェムト秒(fs)パルス光源を用いたテラヘルツ電磁波計測技術を採用している。水はテラヘルツ波の吸収が大き過ぎ、水溶液も 1 ㎜の厚みでもあると何も情報が得られない。透明な板に挟む計測セルなどで薄い液膜を作ると多重反射や板表面の汚染が測定を邪魔する。渡部方式ではディスポカートリッジ(Disposable Cartridge)で数十µmという薄く均一な液体の膜を精密かつ再現良く生成し直接テラヘルツ波で計測する。これにより前処理等の手間がかからず、汚染の持ち越しのないピュアな計測データ取得を実現した。フェムト秒という極めて短い時間の計測をつないだテラヘルツ波の観測により、ストロボ写真を取るように水分子クラスタを含む短い寿命の会合状態の変化が反映される。
これらの複合的な工夫の積み重ねにより、会合状態を分子レベルで非破壊に、そして 60 秒という瞬時で計測する事が可能となる。
従来の測定は分子集団全体の変化をまとめて測るマクロな測定と、分子やその内部構造を突き止めるミクロな測定に大別されますが、渡部方式で得られる世界は両者をつなぐ分子会合のありのままの複雑さの情報。
得られるデータはあらゆる会合状態を内包しており、様々な職人の感性と関連するパラメータを与えることで、所定の目的に沿った会合状態の指標を数値化することが可能となる。