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オスラムオプトセミコンダクタ、生体認証用赤外LED

December, 28, 2015, Regensburg--オスラムオプトセミコンダクタ(Osram Opto Semiconductors)のSFH4786S赤外LED(IRED)の低背により虹彩認識システムの複雑さは軽減できる。1.6㎜で、この新しいIREDは、先行製品よりも約1/3低くなっている。その発光方向はわずかに角度がつけられているので、正確な形状アライメントを確保するための通常の機械的補助が不要となっている。
 人によって異なる虹彩パタンを認識することは、最も信頼できる生体認証法の1つ。この技術は、不正アクセスを防ぐために、最近スマートフォンやタブレットで採用されている。2014年、Osramは初のIRED、Oslux SFH 4780Sを発売した。これによりモバイル機器で、コンパクト、高信頼の虹彩スキャナが可能になった。2.4㎜のSFH 4780Sは最大光抽出に最適化されているが、SFH 4786Sの高さは高さの低い極低背のエミッタの要求をカバーするために1.6㎜に低減されている。
 全く新しい特徴は、SFH 4786Sの発光方向の8°傾斜である。わずかに傾斜した発光特性は、少し離れてマウントされたカメラの視野にとってメリットがある。全般的なシステムのパフォーマンスは、垂直上方放射エミッタと比べて非常に優れている。これまでは、IREDをわずかに傾斜させるにはスキャナに機械的な手段が使われていた。Osramのマーケティングマネージャ、Bianka Schnabel氏は、「SFH 4786Sでは、もはや追加費用は不要になる。顧客は、虹彩スキャナ設計の複雑度を大幅に軽減できる」と説明している。このアプリケーションは、いくらか広い±13°の発光角度からも恩恵を受けている。これによりモバイル機器における虹彩スキャナの通常作動距離でもっと広い範囲の照射が可能になる。SFH 4786Sの放射強度は、ティピカル、電流1Aで1750mW/sr。
 SFH 4780Sと同様、SFH4786Sは810nmの波長で発光する。このスペクトル範囲で、すべての虹彩の高コントラスト画像が達成可能である。チップは、エミッタあたり2つの発光センタを提供し最大光出力となるようにナノスタックデザインとしている。両IREDsは高効率Osluxパッケージをベースにしている。Osluxは、リフレクタと内部ミラーで確実に集光する。したがって、放射強度が非常に強くなり、その平坦面により処理が極めて容易になっている。また、25ケルビン/ワット(K/W)パッケージの低熱抵抗も注目に値する。SFH 4780Sと比較して、設計者が考慮すべき唯一の違いはSFH 4786Sが低背コンポーネントであることだ。
 SFH4786Sは、すでに入手可能になっており、量産は2016年1月の予定。