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韓国特許法院、三菱化学/NIMSの赤色蛍光体特許の有効性を認める

June, 12, 2014, Tokyo--三菱化学(MCC)と物質・材料研究機構(NIMS)は、MCCとNIMSが共有する、LED用として広く用いられる赤色蛍光体に関する特許(大韓民国特許第816693号)について、2013年5月30日付で米国のIntematix Corporation(Intematix社)が韓国特許法院に提起していた審決取消訴訟における請求を同法院が全面的に退け、2014年6月3日付で同特許の有効性を認める判決を下した。
 Intematix社は、2012年9月7日付で韓国特許審判院に同特許の無効審判を請求したが、2013年4月30日付で同院はこの請求を退け「特許は有効である」との判断(請求棄却審決)を下していた。Intematix社は、この審決を不服として審決取消訴訟を提起していたが、韓国特許法院においても原審決が支持され、同特許の有効性が改めて認められた。
 MCCは2011年12月20日付でIntematix社およびその韓国での販売代理店、株式会社GVPが同特許を侵害しているとして、ソウル中央地方法院に特許侵害訴訟を提起し、2013年2月5日付でソウル中央地方法院はIntematix社等の製品による特許権侵害を認め、韓国への輸入および販売差し止めを命じる判決を下している。

(注)大韓民国特許第816693号は、通称CASN、SCASNと呼ばれる窒化物系の赤色蛍光体((Sr,Ca)AlSiN3:Eu等を基本組成とする蛍光体)およびそれを用いたLED、照明器具、画像表示装置等を広くカバーする基本特許。韓国のほか、日本、米国、中国、台湾でも登録されている。
 CASNおよびSCASN蛍光体は、高い輝度と信頼性からLED用として最も広く使用されている赤色蛍光体であり、MCCが製造販売している当該赤色蛍光体は、LEDメーカー各社から多くの支持、評価を得ている。MCCは、CASNおよびSCASN蛍光体に関し、本件特許以外にも多数の関連特許を保有している。