垂直農業市場規模､2027年に64億6000万ドル

September, 23, 2020, Francisco--Grand View Research, Inc.のレポートによると,世界の垂直農業市場規模は､2020-2027年にCAGR 25.7%で拡大して､2027年に64億6000万ドルに達する見込である｡
　新鮮な有機野菜需要の増加､最先端の農業技術の登場､都市化が市場成長に関わる主因である｡世界中で急速な都市化が進んでいるために､世界の農地は縮小している｡土壌品質の劣化もアクアポニクス､水耕法､空中栽培などの代替農業技術登場のもう1つの原因である｡

垂直農家によるそのような栽培技術利用の増加は､予測期間に垂直農業からの新鮮な生産物需要を押し上げる。しかし､垂直農業への高い初期投資､巨大農業国が採用しないことが､市場制限要因の一部となる｡例えば､ロシア､インド､ブラジル､ウクライナ｡

World Bank Groupによると､人口あたりの世界の耕地は､2013年の0.197ヘクタールから､2016年には0.192ヘクタールに減少した｡土地の劣化による耕地不足のため､農民は､新鮮な作物を生産する新規ソリューション採用に走っている｡したがって､最新の屋内耕作法にシフトする農民が多くなっており､そこでは作物は建物､出荷コンテナ､倉庫内で層状にスタックされる｡そのような屋内農業により､鉢植え種のスタックされた層を利用することで総植栽地の拡大が可能になる｡さらに､そのような作物は､閉じられた環境で栽培されるので農民は､悪条件により屋外では栽培できない様々な野菜を育てることができる｡これは､中東､アフリカなどの地域での市場の成長を促進すると予測されている｡

北米は､2019年､垂直農業生産で､市場シェア33%超と優勢であり､予測期間を通じてトップは続くと予測されている｡米国の多くの垂直農業会社､AeroFarms, Bowery Farming Inc., Gotham Greensなどの登場が成長を牽引する主因である｡これらの企業は､様々な種類の新鮮野菜を供給している｡葉物野菜､結球レタス､ロメインレタス､ルッコラ､ホウレンソウ､ケールそれにトマト､キュウリ､ペパー､バジルなど､他の作物も含まれる｡中東市場は､最高CAGRが見込まれている｡この地域で､確立されたプレイヤと新しい垂直農家プロジェクトから地域的拡大が見られるからである｡AeroFarms, Madar Farms, および Badia Farmsなどの企業は､既存および新規ファシリティに積極投資して､地域的に増加する垂直農業生産物の需要に対処している｡

垂直農業市場調査ハイライト
･COVID-19パンデミックの中､新鮮野菜を注文するeコマースプラットフォームの利用が､世界中で飛躍的に増加している｡これが､垂直農業産物の販売を促進する｡
･土壌や殺虫剤汚染のない食品の需要増が､垂直農業産物需要拡大の主因｡
･様々なデバイスや装置､センサ､モニタリングデバイス､灌漑制御､気象コントロールなどIoT組込が垂直農家の運営の卓越性を改善した｡
･水耕法セグメントが､2019年に大きな市場シェア｡2027年までその牙城は維持される見込である｡水耕法農業のセットアップは容易であり､コンテナベース水耕法農業選好が増えているからである｡
･レタスや他の葉物野菜全体で､2019年､全野菜における市場収益シェアは50%を超えた(葉物野菜､トマト､キュウリ､ペパー)｡
･レタスセグメントは､2020-2027年に最高CAGR成長が見込まれている｡新鮮で高品質の結球レタス､ロメインレタスに消費者から大きな需要がある｡
･北米は､グローバル市場で優位を占め､2019年､市場規模は33%を超え､2020-2027年にその優位性を維持する見込である｡
･新興経済圏､シンガポール中国がAPAC地域の市場成長を牽引すると予測されている｡新しい垂直農家が出現しているからである｡