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バクテリア細胞と非生物要素を組み合わたハイブリッドマテリアル

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March, 26, 2014, Cambridge--MITのエンジニアは、金(gold)やナノ粒子、量子ドット(QD)などの非生物材料を組み込んだ生物膜(biofilm)を細菌細胞に造らせようとしている。
 これらの「生体を構成する物質」は環境に反応するという生きた細胞の利点を統合しており、複雑な生体分子を生み出し、何倍もの長さに広がり、伝導性や発光のような機能を加えた非生物材料の利点も持つ。
 この新しい材料は、このアプローチの力を単純に実証するものであり、いずれもっと複雑なデバイス、太陽電池、自己発熱材料あるいは診断センサなどの設計に使われる、とTimothy Lu氏は説明している。同氏は、電気工学と生物工学の助教授。
 「われわれの考えは、生物界と非生物界を統合して、そのなかに生きた細胞を持ち機能性も持つハイブリッド材料を作ることだ。これは物質合成についての興味深い方法であり、現在のトップダウンアプローチとはかけ離れたものである」(Liu氏)。
 研究チームは、大腸菌(E. coli)で作業をすることにした。理由は、大腸菌がいわゆる「curli fibers」-E. coliが表面に付着するのに役立つアミロイドタンパク質-を含むバイオフィルムを自然に作るためである。各curli fiberは、CsgAと呼ばれる同じタンパク質サブユニットの繰り返しチェーンからなるもので、ペプチドというタンパク質小片を加えることで変更できる。このペプチドは、金ナノ粒子などの非生物材料を捉え、それをバイオフィルム内に包含する。
 一定の条件下に細胞が別の種類のcurli fibersを作るようにプログラムすることによって研究チームはバイオフィルムの特性をコントロールし、金ナノワイヤ、電導バイオフィルム、量子ドットを散りばめたフィルム、あるいは量子力学的な特性を示す微小な結晶を作ることができた。また、これらの細胞が相互に連絡を取り合い、時間の経過とともにバイオフィルムの組成を変えることができるように操作した。
 最初にMITのチームが、CsgAを作るバクテリア細胞の自然の能力を無効にし、次にそれを、一定の条件下、特にAHLという分子が存在するときにのみCsgAを作る改良遺伝回路と置き換えた。こうしてcurli fiberの製造性を研究チームの管理下に置き、研究者は細胞の環境においてAHLの量を調整することができる。AHLがあるとき、細胞はCsgAを分泌する、これがcurli fibersを形成してバイオフィルムになり、それが、細菌が成長する表面を覆う。
 研究チームは次に、aTcという分子が存在するときにのみ、アミノ酸ヒスチジンクラスタから成るペプチドが付いたCsgAを作るように変更した。改変した細胞はコロニーでいっしょに成長させることができ、研究チームはその環境内のAHLやaTcの量を変えることでバイオフィルムの材料組成をコントロールすることができる。両方が存在するとき、フィルムはファイバ付とファイバ無しの混合を含む。金ナノ粒子がその環境に付加されると、ヒスチジンタグがそれらにとりつき、金ナノワイヤ列を作り、伝導性をもつネットワークを作る。
 研究チームは、細胞が相互に協調してバイオフィルムの組成を制御できることも示した。
 QDをcurli fibersに加えるために研究チームは、SpyTagと呼ばれる別のペプチドタグとともにcruli fibersを作るように細胞を改変した。
 このようなハイブリッド材料は、バッテリー、太陽電池などのエネルギーアプリケーションでの利用に向けて研究価値があるとLu氏は主張している。
(詳細は、 web.mit.edu)