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中赤外フォトニクス回路とセンサでⅣ族半導体Ge利用を狙う

March, 26, 2014, Southampton--サザンプトン大学オプトエレクトロニクスリサーチセンタ(ORC)研究チームの新しい研究プロジェクトは、Ⅳ族半導体、ゲルマニウムが中赤外(Mid-IR)フォトニクス回路およびセンサとして使える材料であるどうかを立証することを目的としている。
 Mid-IR Ⅳ族フォトニクスには多くの重要なアプリケーション分野がある、化学センシングや生物学的センシング、環境および有害物モニタリング、医療、通信、天文学、防衛と安全など。これまでMid-IR Ⅳ族フォトニクスの研究は、より短波長のシリコンベースのデバイスに集中していた。理由は、利用しやすく、安価で、製造工程が成熟しており、フォトニクスとエレクトロニクスの集積の可能性があり、優れた透明性があるなどだった。
 しかしシリコンの透明性は8μmまでであり、したがってMid-IRフィンガープリント域(8-14μm)のコア材料には適していない。Mid-Infrared GeRmAnium phoTonIcs fOr sensing(MIGRATION)プロジェクトは、この分野で将来的に立ち上がってくる技術を目指して、ゲルマニウムをシリコンの代替プラットフォームとして研究する。シリコンと比べるとゲルマニウムは、高い非線形係数、優れたキャリアモビリティ、ゲルマニウムベースの合金でアクティブデバイス作製の可能性など、デバイス開発で多くの利点がある。
 このプロジェクトの主要成果の1つになると考えられているものに、高品質のゲルマニウム基板特定がある。これは、確立されたシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウエファのパフォーマンスに匹敵するものとなる。この構造は、導波路、カプラ、フィルタ、増幅器、変調器などの実証に用いられる。これらは、拡張波長域で集積オンチップ回路、システム、センサの構成要素となる。英国物理科学研究委員会(EPSRC)が資金を提供している学際的なプロジェクトは、Dr. Mashanovichの研究グループが主導しており、サザンプトンの生物学、化学、工学、物理学の研究者も関わることになる。
(詳細は、 www.orc.soton.ac.uk)