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新東工業、3Dプリンターメーカー、3DCeramへ資本参加

October, 12, 2017, 名古屋--新東工業株式会社は、セラミック事業拡大の一環として、フランスにあるセラミックス 3Dプリンターの有力メーカー3DCeram(3Dセラム社)への資本参加すを決定した。10月中に同社株式の75%を約13億円で取得する予定。これに伴い3Dセラム社は新東工業の連結子会社になる(新社名:S.A.S 3DCeram-Sinto)。
 セラミックス 3Dプリンターには、①形状の自由度が高い、②短納期の対応が可能、など従来の成形法にはない優位性がある。こうしたメリットが活きる市場としては、医療分野(人工骨、人口歯、人工関節等の生体材料)、航空宇宙分野(タービンブレード用セラミックス中子等)、エネルギー分野(触媒、熱交換器)が挙げられ、将来的には二次電池分野や新規市場での需要が飛躍的に拡大していくと予想される。
 資本参加する 3Dセラム社は、フランスの CNRS(フランス国立科学研究センタ)の一部門である SPCTS(国立セラミックス・表面処理研究所)を母体に設立された会社で、セラミックス 3Dプリンター及び同プリンターに用いられるペーストの製造・販売、製品の受託製造を手がけている。3Dプリンターの分野で、装置から材料、受託製造までを一貫して手掛けているのは世界でも新東工業のみ。同業他社が名刺サイズ以下の製品であるのに対し、その数倍の大型製品を製造できる、緻密で複雑な造形が可能、といった点が競争力になっている。また、材料開発では 25 年の経験を有し、医療用アパタイトから構造用セラミックスのアルミナ、ジルコニア、窒化珪素などの製品を提供している。設立の経緯から、フランスの SPCTS と密接な関係を有していることも強み。
 新東工業グループのセラミックス事業は、国内メーカー向けに液晶・有機ELや半導体関連の大型セラミックス部品が多く、さらに事業を拡大していくために、従来と異なる市場や商品サイズ、海外への展開が急務。今回の資本参加を通じ、新東工業の持つセラミックス成形技術や国内外の顧客・拠点ネットワークと 3Dセラム社の装置・ペースト製造に関するノウハウや最新の知見を融合させることで、3Dセラミックス事業で世界のトップランナーを目指す。