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浜松ホトニクス、光半導体素子生産能力増強新工場完成

April, 3, 2017, Hamamatsu--浜松ホトニクスは、光半導体素子の後工程(組立・検査工程)の生産能力増強を目的として、後工程専用量産工場である新貝工場の敷地内に新1棟を建設した。新工場は、5月から稼働を開始する。新1棟の稼働により同社は、需要が高まっているX線非破壊検査装置、自動車、産業機器などに向けた受発光素子の生産量増加に対応していく。
 浜松ホトニクスは、IoT時代に向けて提唱されている「トリリオン・センサ社会」への対応として、需要が拡大している光半導体素子の後工程の生産能力を増強する。「トリリオン・センサ社会」では、産業機器、自動車、ヘルスケア、農業、通信、社会インフラなどに多種多様なセンサを付加し、センシングデータを社会や生産、生活に役立てるという狙いがあり、今後も各種センサの需要拡大が予想される。
 浜松ホトニクスでは、先端光技術の開発に取り組み、様々な市場にセンサとしての光半導体素子を供給している。また、センサ需要の拡大とともに、センサの実装体積を最小化する傾向が出ており、薄型・小型・軽量の製品が求められている。さらには、小型・軽量でありながらも高信頼の製品が求められている。
 新工場では、こうした要求に応えるためにX線非破壊検査装置、衝突防止・自動エアコン・自動ライト・自動ワイパー・車内光通信など、自動車関連に向けた受発光素子、医療機器向けMPPC(Multi-Pixel Photon Counter)、ヘルスケア向けセンサなどの生産を行う。また、大量生産を前提とした生産ラインでは、チップオンボードパッケージ・プリモールドパッケージ・フリップチップパッケージなどの組み立ておよび検査を行い、それに適合した装置を設置する。新1棟完成により、既存の3号棟と合わせた新貝工場全体の生産能力を、月産400万個から月産1000万個に増強する。
 新1棟は、新貝工場の将来の拡張計画を視野に入れた建物構造となっており、事業継続計画に基づく地震および水害対策やLED照明、断熱などの省エネ対策など環境対策も取り入れた工場となっている。