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LEDビデオ技術、デジタルサイネージ市場で勢いづく

May, 23, 2016, Englewood--IHSの調査によると、直視型LEDビデオ市場の画素ピッチ全カテゴリの総出荷台数が、2015年は前値比で15.6%を記録した。しかし、20105年の総売り上げは、前年比でわずか1.2%増にとどまった、これはすべてのピクセルピッチカテゴリで価格が劇的に下落したためである。直視型LEDビデオカテゴリ出荷台数は、2016-2020年の期間にCAGR 16%で成長するとIHSは予測している。
 ピクセルピッチとは、各ピクセルの中央間の距離の大きさ。ピクセルは、順々に赤、青、緑のダイオードで構成されるクラスタになっている。ピクセル間の距離が短ければ短いほど、ピクセルピッチは微細になり、解像度が向上してより近い距離で見ることができるようになる。これは屋内利用の公共ディスプレイでは必須条件である。
 「LEDビデオ産業のアプリケーショントレンドは他の技術とはいささか異なっており、企業や教育サイネージにはほとんど導入されていない。その代りに、フロントプロジェクタやLCDディスプレイに依存する傾向がある」とIHSテクノロジーのディレクタ、Sanju Khatri氏は説明している。「LEDビデオの第1位のアプリケーションは小売、屋外スポーツ、公共空間。屋内アプリケーションは成長トレンドにある。特に、公共空間、小売り、コントロール室や企業のサイネージ」。
 直視型LEDビデオ市場は2015年、サブ1.99㎜が前年比366%増、2㎜~4.99㎜ピクセルピッチLEDビデオディスプレイが前年比129%増となり、この2つがディスプレイ解像度の最速成長カテゴリとなっている。これらの解像度では成長のほとんどは、微細ピクセルピッチ直視型LEDディスプレイにおける最近の技術開発によるものである。2015年ほどではないが、これら2つのカテゴリは2016年も力強い成長が見込まれており、1.99㎜の出荷は84.8%増、2㎜~4.99㎜ピクセルピッチLEDビデオディスプレイは77.1%増と予測されている。
 より微細なピクセルピッチへの前進は短期的には非常に緩慢であるとIHSは見ている。これは、現在のLEDパッケージングのサイズ限界による。今のところ、最も狭いピクセルピッチLEDビデオディスプレイは2015年9月に発売されたLeyardの0.7㎜製品。サブ1㎜と1.2~1.9㎜ピクセルピッチディスプレイの価格差は、ほぼ2倍。したがって、1㎜ピクセルピッチLEDビデオディスプレイがビデオウォール形態に導入されることは稀である。Unilumin, Aoto, Leyardおよび他の主要ブランドは、サブ1㎜ピクセルピッチLEDビデオディスプレイを小売店、コントロールルーム、会議室、空港や他の屋内アプリケーション向けの大型フォーマットディスプレイとして位置付けている。
 長期的には、業界は従来の表面実装デバイス(SMD)の代わりに、特に微細ピクセルピッチLEDビデオディスプレイでは、新しいタイプのCOBに移行する。「COBの利用により、LEDのパッケージング密度は著しく向上し、コンパクトなLEDアレイが可能になる。熱効率、コスト効果、寿命や信頼性が改善される。COB LEDの製造増加にともない、LEDビデオディスプレイ市場はこのような移行に期待することができる」とKhatri氏は語っている。