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連続光の相関を制御する新方式LiDARの開発に成功

October, 29, 2021, 東京--東京工業大学の中村健太郎教授は、横浜国立大学の理工学部4年生 清住空樹さんと水野洋輔准教授、芝浦工業大学の李ひよん助教らとの共同研究で、光相関制御型の新方式LiDARを開発し、100 kHzの高速振動を検出することに成功した。
 測距と高速振動検出を同時に行うことは従来の方式では困難だったが、新方式では連続光の干渉の性質を巧みに制御することで実現可能となった。このLiDARにより空気の流れを可視化できる可能性があり、部屋の換気効率の測定やマスク周辺の乱流等の検出を通じ、感染症対策への貢献が期待される。

研究成果は、「APL Photonics」のオンライン版に掲載された。

LiDARで測定を行うには、測定対象にレーザ光を照射してその反射光を分析する必要がある。相関領域LiDARでは、その反射光を参照光と干渉させる。このとき、レーザ光に周波数変調を施すことで、反射光と参照光が強く干渉する点「相関ピーク」が形成される。相関ピークは測定点として機能し、相関ピークと重なった点からは詳細な情報を取得することができる。例えば、相関ピークと重なった測定対象が振動している場合は、その周波数や振動波形を測定することが可能。

相関ピークの位置は、レーザ光の変調パラメータによって自在に制御することができるので、複数の測定対象が広範囲に分布している場合でも、相関ピーク位置を掃引することで測定をすることが可能。

今後の展開
相関領域LiDARの応用展開として、流速分布測定が期待される。空気中に存在する粒子の振動や動きをとらえることにより、空気の流れを可視化することができると考えられる。これにより、部屋の換気効率や、マスクの周りの乱流等を測定することができるようになり、感染症対策にも貢献できる可能性がある。また、生体信号の非接触センシング(脈拍、呼吸、心臓の微細振動・鼓動など)に応用できる可能性もある。
(詳細は、https://www.titech.ac.jp)