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任意の振動方向のマイクロ波をイメージングする技術を開発

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January, 25, 2021, つくば--産業技術総合研究所(産総研)物理計測標準研究部門高周波標準研究グループ 木下基主任研究員は、原子の持つ微弱な磁性を利用することで、異なる偏波のマイクロ波をそれぞれ分離して可視化するマイクロ波偏波分離イメージング技術を開発した。

電磁波の振動方向を表す偏波は、信号の分離、干渉の抑制、探査や解析の多角化などのために重要なパラメータである。そのため、携帯電話などのさまざまな電子機器に使用される高周波回路の設計や評価、レーダによる探査、食品やインフラ設備の非破壊検査などでは、電磁波の空間分布を振動方向の異なる偏波ごとに分離して測定するニーズがある。

これまで産総研では、セシウム原子の二重共鳴と呼ばれる現象を利用してセシウム原子にマイクロ波と近赤外光を同時に吸収させて、マイクロ波を近赤外領域の蛍光に変換し、それをCCDカメラで撮像して高速で高解像度にマイクロ波の空間分布を可視化する技術を開発してきた。しかしこの可視化技術では、マイクロ波のすべての偏波を合わせた測定だけが可能であった。
 今回開発した技術では、セシウム原子が持つ微弱な磁性に注目し、それを精密に制御することでマイクロ波強度の偏波ごとの空間分布を分離して可視化することができる。これによって、これまでに開発した原子の二重共鳴を利用する可視化技術が本来持っていた高速で高解像度という特性を保ったまま、偏波分離イメージング技術を確立できた。
 今回、原理を実証するためシンプルなマイクロストリップライン(MSL)上の9 GHz帯のマイクロ波のおのおのの偏波に対する可視化を行った。高周波回路やアンテナの設計や検査への応用、インフラ診断や環境測定が可能なマイクロ波カメラの開発、使用できる周波数を拡張して5G/6G通信技術を支援するなど、幅広い応用が期待される。

この技術の詳細は2021年1月18日に学術誌IEEE Transactions on Instrumentation and Measurementのオンライン版に掲載された。
(詳細は、https://www.aist.go.jp)