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EPFL、長距離コヒレントLiDARのスピードアップ

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May, 22, 2020, Lausanne--LiDARはレーザ光で距離を測るために利用される技術。Natureに発表された研究成果でEPFL研究チームは、フォトニック回路を使ってLiDARエンジンをスピードアップする新しい方法を示している。

LiDARは、距離の計測にレーザ光を使うアレイ技術で構成されている。光速伝送された光信号と受信した光信号との間の時間遅延の増加を利用して距離を計測する。最新の3D LiDARセンサは、高い横方向/垂直方向および放射解像度を統合しており、進行中のレベル4および5自動運転車革命の重要コンポーネントである。

3D LiDARセンシングの優位性は、2007年DARPA自律運転挑戦が発端である。これには、同時に128のレーザラインを計測する初のVelodyneスピニングレーザアレイセンサが導入された。最新のLiDARセンサは、TOF動作原理に依拠している。ここでは短パルスまたはパルスパタンをセンサ開口部から放射し、反射戻り光の強さを二乗検波フォトディテクタを使い検出する。

他の原理は、コヒレントレーザ測距で、重要な点は周波数変調連続波(FMCW) LiDAR。ここではレーザがリニアな光周波数チャープを放出するように設定されている。放出レーザ光のレプリカとのヘテロダイン混合が、RFに標的距離をマッピングする。

コヒレント検出は、距離分解能の強化、ドップラ効果による直接距離検出、陽光のギラつきや干渉の不浸透性など、多くの固有の利点がある。しかし、狭線幅周波数アジャイルレーザを精密制御する技術的な複雑さが、これまでFMCW LiDARの並列化成功を阻んできた。

今回、EPFLのTobias Kippenberg研究室の研究チームは、集積非線形フォトニック回路を使うことでパラレルFMCW LiDARエンジンを実装する新しい方法を見いだした。チームは、単一FMCWレーザをSiN平面マイクロ共振器に結合した。ここでは、連続波レーザ光が安定した光パルストレインに変換される。これは分散、非線形、キャビティポンピングとロスのダブルバランスによるものである。研究成果は、Natureに発表されている。

「驚いたことに、散逸Kerrソリトンの形成は、励起レーザがチャープするときに持続するばかりか、そのチャープを生成された全コムティースに確実に転送する」と研究の筆頭著者、Kippenberg研究室のポスドク、Johann Riemensbergerは話している。

マイクロ共振器の小サイズは、コムティースが100GHz間隔であるという意味である。これは、標準の回折光学で十分に分離できる。各コムトゥースは励起レーザの線形チャープを継承しているので、マイクロセンサに30までの独立したFMCW LiDARチャネルを作ることができた。

各チャネルは、ターゲットの距離と速度を同時計測でき、異なるチャネルのスペクトル分離によりデバイスはチャネルクロストークの影響を受けない、また最近導入されたフォトニック集積光グレーティングエミッタをベースにした光フェーズドアレイとの共集積にそのまま適合している。

放出ビームの空間的分離と1550nm波長帯は、そうでない場合の目やカメラの厳しい安全性制約を緩和する。「EPFLで開発された技術は将来的に、コヒレントFMCW LiDAR取得率を10倍に改善する」とKippenberg研究室のPh.D学生、Anton Lukashchukは話している。

このコンセプトは、高品質SiNマイクロ共振器に依存している。これは、平面非線形導波路プラットフォームの中で記録的に低損失であり、EPFLのCentre of MicroNanotechnology (CMi)で作製された。そのSiNマイクロ共振器は、EPFLのスピンオフLiGENTEC SA からすでに商用入手可能である。同社は、SiNベースフォトニック集積回路(PIC)の製造を専門にしている。

この研究成果は、将来自律走行車でコヒレントLiDARの広範な適用に道を開く。研究チームは現在、レーザ、低損失非線形マイクロ共振器、フォトディテクタを単一のコンパクトなフォトニックパッケージに異種共集積に焦点を当てている。

(詳細は、https://news.epfl.ch)