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EPFLスタートアップ、実世界と仮想世界を融合

April, 1, 2020, Lausanne--EPFLのスタートアップ、CREALは、実世界の細部と深さを仮想世界に付与する新技術を開発した。その画像プロジェクションシステムは、既存技術のほとんどのユーザが経験する吐き気の回避に役立つ。同社は、2019年、730万スイスフランの融資を獲得し,同社のプロトタイプは、多くの大手業界プレイヤからの関心を引きつけた。

VRとAR両方の至高の目標は、対象物や照明条件を、光線毎に、正確に物理的に見えるように生成することである。EPFLスタートアップCREALは、強い関心を呼び起こす破壊的技術により、この目標に一歩近づいた。2つのフラットな画像を重ね合わせて人工的3D効果を作る代わりに、そのデバイスは、ホログラムと同じ方法で画像を投影し、実世界条件からほとんど区別できない多方向光を生成する。

既存のVRとARヘッドセットは、人によっては吐き気を催すことが知られている。これは、それらが仮想的対象物を作る仕方のためである。システムが固定焦点距離を設定し,画像がプログラムされた3D効果によって深度を持つ。市場のさらに進んだデバイスは、焦点を調整するために視線追跡技術を利用する。しかしこの方法でも,順応の問題を回避することはない。つまり目が、対象物までの距離の変化にしたがって自然に調整するプロセスに問題がある。これは、例えば、遠くのものよりも近くの対象の方が鮮明に見えるような調整のことである。この現象は、片目を閉じて、異なる距離の対象物に焦点を合わせようとするときに起こる。対象物は近くなり、背景はぼやける。対象物を退け、前景は鮮明さを失う。実世界では、他の自然プロセス、両眼転導として知られる自然プロセスと並行して順応が働く。それによりわれわれの目は2つの2D画像を重ね合わせて、3D画像を創る。しかし、ヘッドセットをつけると、これら2つのプロセスの協調は壊れる。吐き気を感じさせるのは、この不一致である。

超現実的光
CREAL創始者/CEO、Tomas Slukaは、ヘッドセットによって一般的に生ずる眼精疲労を解決する破壊的技術を開発した。その発明は、光照射野を飛躍的に改善する。これは、快適なスマートアイウエアの失われたカギと考えられている。つまり、反射光も含めて、全方向に進む光の量が現実的な照明効果を生み出すために不可欠となるからである。同社の新しい技術は、一種の簡素化されたホログラムを作り出す。これが実世界の細部と深さを仮想シーンにもたらし、各ピクセルの光と色が画角に応じて変化する。このブレイクスルーが、順応と両眼転導の間の不一致を解決し、装着者の目が正常に機能し、吐き気がなくなる。

連続的深度分解能
Slukaは、同社の競争力を維持したがっており、当然、手の内を見せないようにしている。「われわれの明視野技術は、他のシステムよりも現実的な効果を生み出している。ゼロから無限まで、数百の深さ分解能をサポートできる。その分解能は徐々に分散され、眼に近いほど多く、遠くなると少なくなる」と同氏は説明している。実際、その技術は、非常に強力であるので、通常矯正メガネをかけている人は、それなしで使える。

 機能プロトタイプは、非常に大きく、同社は、それを克服するための技術的課題をいくつか抱えているが、Slukaは、そのシステムが2021年のある時点でARゴーグルに浸出すると考えている。CREALは、先頃、新奇の14名を雇用し、730万スイスフランの融資を得て、スピードアップ仕様としている。

(詳細は、https://actu.epfl.ch/)