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レーザベースシステム、過酷環境でも火事を検出

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October, 3, 2019, Washington--Danish Fundamental Metrology A/Sの研究者は、効率的、ローコストな方法で、産業施設、大きな建設現場など、厳しい環境で火事を検出する新しいレーザベースシステムを開発した。さらに開発が進むと、同システムは、1km以上離れた火事でも発見できるようになる。
 「われわれのシステムは、火事が起こりやすいほこりっぽい場所で火事を発見することができる。このような場所では、現在のシステムは性能限界がある、あるいは動作しない」とデンマーク基礎計測A/Sシニアサイエンティスト、Mikael Lassenは言う。「さまざまな産業で利用できる、例えば廃棄物管理施設、電力供給プラント、食品加工工場や繊維工場など」。
 研究成果は、Applied Opticsに発表された。同システムは、安価な光コンポーネントを使い、火事、あるいは温度変化を検出する。コンポーネントは、スペクルパターンを作り、変化を検出する。
 「スペクルパターン分析は、火事や熱変化の検出ではまったく新しいソリューション。それは高速で、比較的ローコストであるばかりか、広大な過酷環境で動作する」とLassenは説明している。
 研究は、早期、高信頼に火事を検出するためにわずかな温度増加を特定できるシステムの開発を目的にしたEurostarsプロジェクトの一環である。デンマーク基礎計測に加えて、プロジェクトには、ノルウェーのElotec A/sとデンマークのLAP-Sikkerhed ApS およびThe Danish Institute of Fire それに Security Technology、が参加している。

誤報を防ぐ
 今日使用されているほとんどの火事検出と防止システムは、過酷な産業サイト、広い領域ではうまく機能しない。標準的な煙検知器は、誤報を発することがよくある。これらの環境で埃や汚染物質のために火事の初期に放出されるサブミクロンの粒子状物質を検出することができない。
 光信号における振幅変化の計測に基づいた光検出システムは、さらに進んでいるが、それらは振動にも影響されやすく、埃やスチームを通して火事をいつも検出できるとは限らない。炎による放出を検知するセンサには、他の放出源、太陽光、人工光、溶接や他の非危険光源からの放射が、誤報源となり得る。
 新しい研究では、Lassenのチームは、まったく異なる光学的アプローチを適用して、動的スペクルパターンを計測することで火事を検出した。これらの変化するパターンは、レーザ光が粗い面に当たるときに干渉により生成される。火事が発生しているとき、レーザ源で、レーザ光がディテクタに反射される際、熱流がレーザビームを検出できるように変動させる。研究チームは、統計学とマシンラーニングを利用して、そのレーザ光によって作られる動的スペクルパターンのノイズパターンを分析した。波長の狭い範囲に閉じ込められたノイズ源が、振動などの機械的影響として除外されるが、広帯域白色ノイズの存在が火事を指し示す。

廃棄物プラント試験
 新しい火事検出システムの評価のために、研究チームはデンマーク、KoldingのEnergnist I/S廃棄物プラントで遠隔操作概念実証プロトタイプをテストした。非常に過酷で、雑音が多くほこりっぽい環境であるので、そのプラントは通常、毎月の誤報が3~4はある。
 「システムは、91%の正確さで火事を検出した。過酷環境を考慮に入れると、これは非常に優れた結果である」とLassenは話している。「それは光ビームの絶対強度に依存しないので、埃や煙による一般的な減衰に対してロバストである」。
 プロトタイプを最終製品に変えるには、筐体の完成、エレクトロニクスやアルゴリズムの最適化、ユーザーインタフェースの設計など、さらなる製品開発が必要になる。研究チームは、光ディテクタとレーザをより強力にアップグレードすることも計画している。これにより感度が高まり、まずは500~600メートル、最終的にには1km超にセンシング範囲を拡大することができる。