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UCF研究者、丸見え状態で画像と情報を隠す方法を開発

January, 11, 2019, Orland--セントラルフロリダ大学(UCF)研究チームは、材料に情報を隠し、適切な技術を使うもののみがそれを見ることができる方法を開発した。
 その技術を開発した物理学、光学およびナノサイエンス准教授、Debashis Chandaは、「われわれは選択的に光吸収をコントロールする表面を作ることができる」と言う。研究成果は、Nature誌Light: Science & Applicationsに発表されている。
 仕掛けは、ナノスケールパターンで満ちた表面に情報を入れることである。表面は、所望の情報ではなく一色だけを反射することで裸眼を欺く。所望の情報を得るには、正しい赤外帯域に調整された赤外レンズかカメラを通して見る必要がある。
 情報がこの方法で隠されるだけでなく、情報を変えて、人の眼に見えない秘密のメッセージが見えたり、再現できるようにすることもできる。この継続開発は、ACS Photonicsに発表された。
 この技術のアプリケーションには、偽造防止セキュリティ、赤外タグあるいはIRカムフラージュが含まれ、例えば、設計者ラベルの存在が、IRカメラを通して確認できる。また、軍事利用では、特殊赤外帯域でのみ見える表面のタグによってどのアセットが味方であり、どれが敵であるかを確認する、あるいは赤外カムフラージュのために情報を動的に変更することによって確認できる。
 Light: Science & Applicationsでは、赤外スペクトル内に画像を隠し、同時に同じ領域が、可視スペクトルの一色として現れることを実証した。
 そのために研究チームは、3段階、レイヤード「プラズモニック」システムを作製した。これは、ナノスケールホールにインプリントされたポリマ層を底面のゴールドミラーと、ポリマ層と一致する穴を持つ上部のゴールド層に挟んでいる。
 画像は、「プラズモニックサンドウィッチ」上方にインプリント可能であり、サイズや深さなど穴のアスペクトが、どの赤外帯域で画像が見えるかを決めるのに役立つ。正しい帯域に調整されたIRカメラを通して見なければ、デバイスの上は、黄色の正方形のような一色に見える。これはナノスケールで材料が達成できる固有の特性のためである。
 パターン特性を変えることで研究チームは、光がデバイスに当たったときに生成される、電子のプラズマ共鳴、あるいは電子エネルギーをコントロールすることができる。
 「この電子プラズマ共鳴をコントロールすることで、われわれは、光のどの色、つまり光のどの帯域が吸収され、反射されるかを実際にコントロールできる」とポスドクフェロー、Sayan Chandaは説明している。
 ACS Photonicsに発表された研究では、チームはさらに一歩進め、選択されたIR帯域で画像を消したり、表示したりする方法を開発した。
 これは、「プラズモニックサンドウィッチ」内に相転移材料二酸化バナジウム層を加えることで実現した。これによって、表面から光反射を100~0%で動的に変え、相転移が引き起こされると元に戻る。
 「コード化された情報を赤外カメラに対し隠したり、表したりする動的可変性要素を追加することになる」とDebashis Chanda准教授は言う。

(詳細は、https://today.ucf.edu)