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新しい蛍光イメージング法、一時間で結核感染を検出

August, 31, 2018, Stanford--光るバクテリアに導かれて、研究者たちは生きた結核(TB)を一時間で診断し、処置の有効性モニタに役立つイメージング技術を考案した。TB菌種は、標準処置に対して防御を発達させるので、その点は取り分け重要である。
 スタンフォード医学部放射線学教授、Jianghong Raoによると、迅速なTB診断は、強く求められている。現在の方法は完了まで2ヶ月かかるからである。その間に感染した個人は、たとえ感染を知らなくても、その病気を拡散することができる。より迅速な診断は、感染率を縮小できる。
 さらに、新方法は安価で使いやすい。貧しい地域のヘルスケア提供者は、1日でその技術を導入できる。
 研究成果は、Science Translational Medicineに発表された。
 TB診断のために、臨床医は唾液サンプル、痰のサンプルを集める必要がある。それを実験室で培養し、バクテリアが検出可能レベルに成長するのを待つ。そのためには、特殊ファシリティが必要であり、それは世界中の多くの病院で不足している。
 「TBが最も目立つ開発途上国では、その種の集中ファシリティの維持が困難であり、高価になる」とRaoは指摘する。
 新しいイメージング技術は、普通の蛍光顕微鏡を使う。これはほとんどどこの病院にもあり、特別なトレーニングは不要である。必要なものは患者の痰サンプルである、それを用意して分析のために顕微鏡にセットすればよい。
 新技術の方法は、新たに作製されたランプ付蛍光プローブを利用する。プローブは、唾液サンプルと結合され、TBバクテリアと接触すると、活性化される、つまりスイッチが入る。プローブの一方が、生きたTB検出に関わり、明らかな発光が生ずる、プローブの第2部分、特にTB病原菌と結合する分子は、蛍光をバクテリアに局所化する。集中した蛍光により研究者は、ロッド形状のバクテリアそのものを見ることができるとともに、感染ホスト細胞におけるその分布を追跡することができる。
 「薬剤に感受性があるTBの場合、処置の成功率は少なくとも85%であるが、多剤耐性のTBの場合はわずか54%の成功率である。これは、より長期の処置と費用、さらに毒性の強い薬剤を必要とする」とRaoは言う。
 Raoによると、その蛍光プローブは、患者のサンプルでどのバクテリアがまだ生きているかを文字通りに示すことによって、適切な薬剤の決定に寄与する。生きているバクテリアは緑に光る。そうでないもの(バクテリア種が異なるもの)は、暗く見える。
 病院外では、その技術は、新しいTB薬剤を開発している研究者が、どの薬剤が個々の特殊菌種にベストであるかを把握するのに役立つ。現在、研究チームは、そのプローブをテストし、FDAの承認得るためにとり組むことを計画している。
(詳細は、http://med.stanford.edu)