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NUS、青色LEDを新しい無薬品食料保存技術に使用

July, 17, 2015, Singapore--シンガポール国立大学(NUS)の研究チームは、青色LEDが主要な食品媒介病原菌に対して強い抗菌作用があること、低温(4~15℃)かつ弱酸性条件(pH 4.5)で最も効果が高いことを見いだした。
 これは、青色LEDを化学薬品を使わない食料保存法として使用できる新たな可能性を開くものである。切りたての果物などの酸性食品や直ぐ食べられる肉は、冷温条件と組み合わせて青色LED下に保存することができる、通常なら食品保存のために化学処理をするが、これが不要になる。
 細菌の細胞は感光成分を含んでおり、電磁スペクトルの可視光域の光(400-430nm)を吸収する、これは主に青色LED光である。青色LEDを当てると、究極的に細胞を死に至らせるプロセスが始まる。
 LED照射の抗菌効果についての既存の研究は主に、感光薬剤を食品サンプルに加える、あるいは細菌懸濁液とLED光源の間を2㎝以下にして使用することで効果を評価する。このような条件は、食品保存アプリケーションでは実行可能ではない。
 NUS科学学部、Yuk Hyun-Gyun准教授をリーダーとする食品科学・技術プログラムの研究チームは、温度やpHレベルなどの要素がLEDの抗菌作用に効果があることを初めて示した。
 この研究では、チームは3つの主要な食品媒介病原菌、リステリア菌、大腸菌 O157:H7、ネズミチフス菌を青色LED照明下に置き、酸性からアルカリ性にpH条件を変えた。細菌不活性化は、pH条件が中性よりも酸性およびアルカリ性の時の方が高いことが分かった。特に、リステリア菌ではアルカリ性よりも酸性条件の方が有害であった。E. coli O175:H7とネズミチフス菌では、アルカリ条件が最も有害であったが、酸性条件も細菌を不活性化するには十分有効であることが分かった。
 同じ研究グループは、2013年には、青色LEDの細菌細胞不活性化能力について温度の影響に注目し、抗菌作用が低温で最も強くなることを見いだしていた。