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青色LEDの光で駆動するクロスカップリング反応を開発

February, 2, 2022, 札幌--北海道⼤学創成研究機構化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)・同⼤学院理学研究院の澤村正也教授らの研究グループは,入手容易な青色LEDの光によって駆動する画期的なクロスカップリング反応を開発し,安価な銅で構成される分子触媒を用いて有用化合物を効率よく合成することに成功した。

近年,光を利用した化学反応が盛んに研究されている。しかし,従来の方法の多くは,人体に有害な紫外光や光を効率よく吸収するための高価な貴金属の添加剤(光触媒と呼ばれる)を用いる必要があった。また,クロスカップリング反応は医薬品や光電子材料といった私たちの身の回りの化成品を合成する上で不可欠な技術だが,このクロスカップリング反応においても,多くの場合パラジウムなどの貴金属を用いる必要があった。

研究グループは,銅を中心とする分子触媒を光によって活性化する革新的な手法で上述の課題を一挙に解決した。銅は地球上に豊富に存在する安価な金属。銅触媒が入手容易な青色LEDの光を直接吸収することで反応が進行するため,外部の添加剤を必要とせず,コストや地球環境の観点から極めて優れた化学反応である。この技術を活用することで,従来の貴金属に頼った化学反応を刷新し,持続可能な社会の実現に大きく近づくことが期待できる。

研究成果は,2022年1月6日(木)公開のJournal of the American Chemical Society誌に掲載された。
(詳細は、https://www.hokudai.ac.jp)