Science/Research 詳細

275nmDUV-LED、254nm水銀ランプと同等以上のウイルス不活化

December, 20, 2021, 鳴門/仙台--ナイトライド・セミコンダクターは、国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンターと共同で、波長222nm、254nm、275nmの3種類の異なる深紫外線領域の波長を用いて、OC43コロナウイルス(疑似新型コロナウイルルス)に対する不活化効果の検証を行った。
 結果、同じ環境下において、各深紫外線(DUV)波長を、同じ光エネルギー量(単位Jジュール)照射する比較試験で、波長275nmの深紫外線波長は殺菌用光源254nmと同等あるいはそれ以上の不活化効果があることを確認した。

実験内容
 各発光波長の光源として、波長222nm:エキシマランプ、波長254nm:UV(低圧水銀)ランプ、波長275nm:深紫外線LEDを用意。それぞれの光源の照度が異なるので、条件を同じにするため、各光源の照度に応じて、対象物に照射する時間の長さを調整し、照射光エネルギー量(積算光量)が同一になるようにした。また、同様の検証試験において特殊な環境下に於ける限定的な試験結果が多く見受けられることから、実際に医療現場等で応用される場合を想定して、光源から対象物の距離は500mmと長めにして、実践的な不活化効果を得られるよう配慮した。

従来、殺菌線波長として応用されてきた波長254nmに対して、波長275nmは疑似新型コロナウイルスについて不活化効果が同等あるいはそれ以上という結果が得られた。これは、水銀全廃を定めた国連環境計画(UNEP)「水銀に関する水俣条約」で定めた、水銀全廃の流れに沿うものであり、低圧水銀ランプに代わる殺菌用光源として、深紫外線LEDが代替光源としての役割を十分に担えることを表している。
(詳細は、http://www.nitride.co.jp)