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10μmの微小粒子1個の情報から新しい白色LED用蛍光体を開発

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July, 18, 2014, Tsukuba--物質・材料研究機構サイアロンユニットの広崎尚登ユニット長、武田隆史主任研究員らの研究グループは、合成粉末試料中から取り出した10μmの極微小な粒子1個の情報からでも新しい蛍光体を開発でき、従来の開発スピードを大幅にアップする新手法を確立した。また既にこの手法を用いた新しい白色LED用蛍光体の開発にも成功した。
白色LEDは省エネルギー、長寿命、小型、水銀フリーの光源として照明や液晶バックライトとして急速に普及しており、今後は車のヘッドライト、大規模照明などその応用範囲は拡大の一途をたどると予想されている。蛍光体は白色LEDの演色性を高める(自然光に近い照明を実現する)役割を担う白色LEDに欠かせない材料であるため、今後の応用範囲の広がりに伴い発光色、発光強度などでさらに高性能の新しい蛍光体が求められている。これまでの手法を用いた蛍光体開発では、新しく合成した蛍光体の均一な粒子を得ること(単一相化)や大きな粒子を得ることに多大な労力と時間を必要とするため、開発が極めて困難になっていた。
 研究グループは、従来、新蛍光体の開発には利用できなかった極微小の粒子1個の情報から新蛍光体を開発する手法を確立し、この手法を「単粒子診断法」と名付けた。新しい蛍光体を開発する際には、通常、この蛍光体は粉末状態で生成されるが、多くの場合、この粉末一粒一粒が異なる組成を持っている。従来はその中でも均一で大きい粒子しか利用できなかったが、残りの微粒子にもまったく新しい蛍光体粒子が含まれている可能性がある。今回確立したのは、従来は分析が不可能だったこうした微粒子1個の情報を用いて新しい蛍光体の開発をおこなう手法。
 選び出した微粒子の蛍光体1個は、結晶構造、組成、発光特性を明らかにし、単一組成の粉末の大量合成に展開する。結晶構造解析には大型の単結晶が、量子効率測定には多量の粉末が必要だったが、装置の改良や独自の装置開発により、蛍光体1個でも測定が可能となった。新手法、「単粒子診断法」を用いてBa3N2-Si3N4-AlN系から黄色蛍光体Ba5Si11Al7N25:Eu2+と青色蛍光体BaSi4Al3N9:Eu2+を開発した。他の組成系も含めると40個以上の新しい蛍光体を見出している。
 白色LEDの性能向上には蛍光体の性能向上が不可欠。新手法を用いることで新蛍光体の開発が加速され、蛍光体の性能向上、白色LEDの新用途に向けた展開が進むと期待される。この「単粒子診断法」は蛍光体以外の分野でも展開可能であり、従来の粉末合成では困難となっていた分野での新材料開発が進むと期待される。
 研究成果は、Chemistry of Materials誌に掲載予定で、ACS Editors’ Choice Articleに選ばれた。