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ハロゲンペロブスカイト、全く新しいアプリケーション世界を開く

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March, 6, 2020, Berkeley--UC Berkeleyの化学者は、最新流行の新しい半導体材料、ハロゲンペロブスカイトから青色LEDを作製した。この安価で、電子デバイスにしやすい材料を用いる主要な障害を克服した。

研究者は、その過程で、太陽電池やトランジスタとして幅広く利用する上での障害となる可能性がある、ハロゲンペロブスカイトの基本的な特性を発見した。

代わりに、この固有特性が、今日の標準的な半導体をはるかに超える、全く新しい世界をペロブスカイトに開く可能性もある。

Science Advancesに発表された研究成果は、ハロゲンペロブスカイトの結晶構造が、温度、湿度および化学環境で変わり、光学的、電子的特性を破壊することを示している。物理的、化学的環境の精密制御なしでは、ペロブスカイトデバイスは、本質的に不安定である。従来の半導体では、これは大きな問題ではない。

「これは、制約であると言う人もいる。わたしには、これは大きなチャンスである」と研究チームのUC バークリー化学者Peidong Yangは言う。「これは新しい物理学である。どんな種類の環境にそれらを置くかに従って、直ぐに再構成が可能な新しいクラスの半導体である。それらは非常に優れたセンサになり得る。恐らく優れたフォトコンダクタになる。光や化学物質に対して非常に感度がよいからである」。

シリコン、あるいはGaNでできた現在の半導体は、幅広い温度範囲で非常に安定している。主に、強力な共有結合で結晶構造が結合しているからである。ハロゲンペロブスカイト結晶は、弱いイオン結合で結びついている、食塩結晶のようなものである。つまり、簡単に造れる。簡単な溶液から蒸発させられるが、湿度、熱および他の環境条件の影響も受けやすい。

「この論文は、単にわれわれが青色LEDを作ったことを誇示しているのではない。デバイス動作中のペロブスカイトの構造的進化に実際に注意を払う必要があることを伝えている。これらのペロブスカイトを電流で駆動している時でもである。たとえそれがLED、太陽電池あるいはトランジスタであっても。これは、この新しい半導体の固有の特性である。この種の材料を使うと、将来、潜在的にどんなオプトエレクトロニックデバイスにも影響を及ぼす」と話している。

青色ダイオードが青くなる
 青色光を発する半導体ダイオードを作ることは、常に難しかった、とYangは言う。2014年、ノーベル物理学賞は、GaNからの効率のよい青色LEDのブレイクスルーに与えられた。電流が流れるときに発光するダイオードは、ファイバオプティック回路のオプトエレクトロニックコンポーネントであり、一般目的のLED光でもある。

ハロゲンペロブスカイトは、最初、2009年に注目を集めた。日本人の研究者が、それらが効率的太陽電池になることを発見し、これらが容易に製造でき、安価な結晶が研究者を熱狂させた。これまで、赤、緑発光が実証されているが、まだ青はない。ハロゲンペロブスカイト青色発光ダイオードは不安定である。つまり、使っていると色が長い方、赤色波長へシフトする。

研究チームが明らかにしたように、これはペロブスカイトの結晶構造の固有の性質によるものである。ハロゲンペロブスカイトは、鉛あるいはスズのような金属でできている。同じ数のもっと大きなセシウムのような原子、さらに3倍の数のハロゲン原子、塩素、臭素あるいはヨウ素などである。

これらの元素が溶液で混ぜられ、さらに乾燥されると、原子は結晶になる、海水から塩の結晶ができるようにである。新しい技術と構成要素セシウム、鉛、臭素を使い、研究チームは青色光を発するペロブスカイト結晶を作った。次に、それをSLACでX線照射して、様々な温度でその結晶構造を決める。室温(約300ケルビン)から、半導体の一般的な動作温度、450K付近まで加熱すると、結晶の押しつぶされた構造が拡大し、最終的に新しい斜方晶系または正方晶構成になった。

これらの結晶から放出される光は、原子配列と原子間の距離に依存するので、色は、同様に温度により変化した。300Kで青色光(450 nm)を発するペロブスカイト結晶は、450 Kで突然ブルーグリーン光を放出した。

Yangは、ペロブスカイトのフレキシブル結晶構造をハロゲン原子の弱いイオン結合によるものとしている。天然のミネラルペロブスカイトは、ハロゲンの代わりに酸素を含み、非常に安定した無機物を生成する。シリコンベースおよびGaN半導体は、原子が強い共有結合であるので、同様に安定している。

青色発光ペロブスカイトの作製
 Yangによると、青色発光ペロブスカイトダイオードは、造るのが難しい。薄膜として結晶を成長させる標準的な技術が、混晶構造の形成を促進するからである。その各々が異なる波長で発光する。電子が、最小バンドギャップでそれらの結晶に送り込まれている、すなわち、発光する前では、最小範囲の許されないエネルギーであり、赤になる傾向がある。

これを回避するために、Yangのポスドクフェローと共同筆頭著者、Hong Chen、Jia Lin および Joohoon Kangは、ペロブスカイトの単一、層状結晶を成長させ、グラフェンを造るローテク法を適用し、テープを使って均一ペロブスカイトの単層を剥がした。回路に組み込んで電流を流すと、そのペロブスカイトは青く光った。実際の青色波長は、8面体ペロブスカイト結晶の層数で変わった。これらは、ペロブスカイト層を簡単に分離し、表面を保護する、有機分子の層で相互に分離されている。

とは言え、SLAC実験は、青色発光ペロブスカイトが、温度によって発光色を変えることを示した。この特性は、興味深いアプリケーションになる、とYangは考えている。

「われわれは、様々な方法で、この種の半導体を利用することを考える必要がある。ハロゲンペロブスカイトを知りこのような従来の共有結合と同じアプリケーション環境に置くべきではない。この種の材料が固有の構造特性を持ち、いつでも再構成されることを理解する必要がある。それを利用すべきである」と同氏はコメントしている。
(詳細は、https://news.berkeley.edu)