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UCSD、スーパーコンピュータで安価なLED新材料を発見

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March, 1, 2018, San Diego--UCSDの研究チームは、データマイニングと計算ツールを使って、安価で作りやすい白色LED用の新しい蛍光体材料を発見した。
 研究チームは、その新しい蛍光物質を使ってプロトタイプ白色LED電球を作製した。プロトタイプは、現在市場にある多くの商用LEDよりも優れた色品質を示した。
 発光物質、フォスファ(蛍光物質)は、白色LEDを作るための主成分の1つ。青色、近紫外(near-UV)光からエネルギーを吸収し、可視光スペクトルの光を発光する結晶性粉末。異なる色の光を組み合わせて白色を作る。
 多くの商用白色LEDで使用される蛍光物質にはいくつかの問題がある。多くは、高価なレアアース(希土類)でできており、中には製造が難しいものがある。また、生成されるLEDの色品質がよくない。
 UCSDと韓国の全南大学(Chonnam National University)の研究チームは、こうした問題を回避する新しいフォスファ(蛍光物質)を発見し、開発した。これは、大部分、地球に豊富にある元素(ストロンチウム、リチウム、アルミニウム、酸素)からできており、工業製法で作製可能である。また、より鮮やかで正確な色を出すLEDを生み出す。
 新しいフォスファ、Sr2LiAlO4(SLAO)は、系統的な、高スループット計算アプローチを使って発見された。同アプローチは、UCSD、Jacobs School of Engineeringのナノエンジニアリング教授、Shyue Ping Ong研究室で開発されたものである。Ongのチームは、スーパーコンピュータを使ってSLAOを予測した。これは、ストロンチウム、リチウム、アルミニウム、酸素でできた初めて知られる材料である。計算は、この材料がLED蛍光物質として、安定的で、性能が優れていることも予測していた。例えば、近UVと青色領域の光を吸収し、高いフォトルミネセンスを持つことが予測されていた。フォトルミネセンスとは、高いエネルギーの光源で励起されたとき、発光する材料の能力である。
 Joanna McKittrick研究室の研究チームが、新しい蛍光物質を作るのに必要な処方を見つけ出した。また、蛍光物質の予測された光吸収と発光特性も確認した。
 全南大学のチームが、工業製造用に蛍光物質処方を最適化し、新しい蛍光物質で白色LEDプロトタイプを作製した。さらに、演色評価数(CRI)を使ってそのLEDを評価した。多くの商用LEDは、CRI値が80程度。新しい蛍光物質で造ったLEDは、90を上回るCRI値だった。
 Ongのチームが開発した計算アプローチにより、蛍光物質の発見にかかった期間はわずか3ヶ月だった。一般に、新材料の発見には数年の試行錯誤が必要であり、それに比べると短期間である。
 蛍光物質の主な制約は、約32%の理想的量子効率以下であること。しかし、研究チームによると、一般的なLED動作温度で新しい蛍光物質の発光は88%以上を維持している。商用LEDでは、通常色品質とのトレードオフが存在する。Ongは、「しかしわれわれは両方のベストを求めており、優れた色品質を達成した。現在、われわれは量子効率を改善するために材料の最適化を行っている」と話している。