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MicroLED AR Smart Glasses Displayチップ市場規模、2026年に4100万ドル

July, 15, 2022, Taipei--TrendForceのMicroLEDレポートによると、多くのMicroLEDディスプレイアプリケーションの中で、大型ディスプレイ開発に続いてMicro-LEDマイクロディスプレイが次の新しいハイエンド製品となる。MicroLED ARスマートグラスディスプレイチップの市場規模は、2026年に4100万ドルと予想されている。
 2025年から2026年のわずか1年で市場規模のそのように大きな成長の理由は、主に赤色チップ、レーザトランスファ、ウエファボンディングやフルカラー化などの技術の段階的な成熟によるものであり、これが収率を改善し、製造コスト削減を可能にする。

TrendForceの指摘によると、Micro LED ARスマートグラスの現状は、フルカラー技術ボトルネックによりモノクロディスプレイが支配している。また、情報プロンプト、ナビゲーション、翻訳、テレプロンプタアプリケーションなどの基本的な情報機能を表示できるだけである。将来的には、フルカラー技術が成熟すると、それはまず、医療手術/テスト機器、工場環境モニタリング/メンテナンスツール、軍事アプリケーションなどの特殊分野に適用される。その技術が十分に進歩し、コストが商用化向けに落ちると、Micro LEDsは、フルカラーコンシューマディスプレイ製品に適用される機会が得られる。

透過型スマートグラスの理想的なデイスプレイは、次の3条件を満たさねばならない、とTrendForceは指摘する。まず、重量とサイズの制御、そのようなグラスを装着する負荷を可能な限り減らすためである。対応するディスプレイ光エンジンのサイズは、1インチ以下でなければならない。2つ目に、コンテンツ認識要件に関して、ディスプレイの輝度仕様は、少なくとも4000 nitsでなければならない。天候や会場など、外的環境要素の影響を受けないことを保証するためである。最後に、解像度は少なくとも3000 PPI以上。投影された画像が、はっきりと読み取れるようにするためである。

とは言え、マイクロディスプレイで厳しい上の要件を同時に満たすことができる技術はほんどない。最も人気のある技術は、Micro LEDとMicro OLEDであり、両方とも自発光式である。しかし、Micro LEDは現在、ARアプリケーション技術開発の初期段階であり、克服すべき課題が残っている。解像度要求が大幅に高まっているため、増加ピクセルは不可避的に、チップの同時縮小に行き着く。Micro LEDのサイズが、少なくとも5μm以下に縮小される必要がある状況では、エピタキシャルプロセスにおける波長の均一性問題が、収率に影響を及ぼす。

第2に、より小さなチップは、レッドチップ外部の外部量子光率(EQE)に問題が生ずる。これが、次にフルカラーの発光効率に影響を与え、単色しか表示できないという課題に直面する。3つ目、フルカラーの問題は、青色チップと量子ドット技術を組み合わせることで克服可能であるが、現段階では、Micro LEDプロセスにおける量子ドット技術アプリケーションには、まだ克服すべき多くの技術的ボトルネックが存在する。

4つ目、Micro LEDチップとCMOSバックプレーンがウエファで結合されると、RGBチップがレーザトランスファを利用してバックプレーンに移転され、Micro LEDチップ移転収率は、レーザ移転エリアのエネルギー制御が均一でない場合、影響を受ける。最後に、バックプレーンのMicro LEDマイクロディスプレイ光エンジンの電気的、光学的特性の素早い検出、検査後の欠陥ピクセルの修復もプロセスとコストに影響を与える主要な要素。

ARスマートグラスとフルカラー技術開発でMicro LEDアプリケーションで克服すべき障害はまだ多く、Micro OLEDと比較して量産スケジュールが遅れているが、Micro LEDは、コントラスト、応答性、寿命、省エネなどの仕様でMicro OLEDパフォーマンスに決定的な差をつける。透過型ARスマートグラスの光効率が、1%限界を破るのは、光導波路素子技術の制約により難しいことを考えると、Micro LEDはまだ、中長期的には、マイクロディスプレイには優れた光エンジン技術オプションである。
(詳細は、https://www.trendforce.com/)