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ソウル半導体、ドイツに続きアメリカでも永久販売禁止で勝訴

October, 2, 2019, 韓国---提訴された50個以上の製品に加え、類似技術の追加特許侵害を発見し裁判所へ提出すれば即販売差止を命令する判決
-米国での永久販売禁止命令は年間10件未満で、韓国企業初の画期的な判決
-照明用ミッドパワーLED製品、TVバックライトなどに使われる高電圧LED (Acrich)およびLEDドライバー関連コア技術

Seoul Semiconductor Co., Ltd. (以下「ソウル半導体) は、米国最大のLED電球オンライン流通チャネル「1000bulbs.com」を運営するService Lighting And Electrical Supplies, Inc. (以下「1000bulbs.com」)を相手に提起した特許侵害訴訟で勝訴し、当該製品に対して永久的販売禁止命令を勝ち取ったと発表した。

米国での特許訴訟では、通常特許侵害が認定されても販売額の一定割合でロイヤルティーの支払いを命じる判決が下される。しかし永久的販売禁止は非常に異例である。特許の技術的価値が非常に高く、販売禁止にしなければ、特許権者に回復不能な損害が発生すると思われる場合に下される判決である。実際に米国では年間4,000件以上の特許訴訟が提起されるが、「永久的販売禁止」の判決が出されるのは毎年10件未満である。

ソウル半導体は、ドイツにおける特許訴訟でも、2018年12月、2019年8月の2回にわたり侵害品の販売禁止に加え、販売済み製品の回収まで命じる判決を得ている。

今回の判決の効力は、訴訟で提訴された50余りの照明などの関連製品だけではなく、同様の特許技術を使用するすべてのLED電球に適用される。ソウル半導体が追加侵害製品を発見し、裁判所に証拠資料を提出すれば、裁判所はこれらの製品に対しても略式手続により販売命令を下すことになっている。

当該特許はLED電球製造に使用される合計10件のコア技術に関するものである。0.5W~3W級のミッドパワーパッケージの汎用技術である「多重波長絶縁反射層(Multi-Wavelength Insulation Reflector)」、狭い面積の中に多数のLED チップを集積させることができる「マルチチップ実装技術(Multi Junction Technology)」、電流変換や回路制御統合デバイスであるドライバー技術、パッケージの耐久性を向上させる技術などである。特に「マルチチップ実装技術」はソウル半導体が世界で初めて開発したAcrich技術であり、12V及び18V以上の高電圧照明製品に使用される。

スマートフォンの洗練されたデザインの変化と同様に、LEDも高効率、高品質製品である第2世代に入れ替わっており、ソウル半導体のスマートフォン特許訴訟も、この第2世代技術を守るための訴訟である。

LED技術の進化による特性比較表
 区分  発光効率   寿命         演色評価数(CRI) 動作温度
第1世代 70~80lm/W 5,000~6,000時間未満 70未満      70~80℃未満
第2世代 150lm/W以上 10,000時間以上    80~90以上    150℃未満

ソウル半導体の李貞勲代表理事は、「ソウル半導体のサクセスストーリーが夢に挑戦する多くの若者達や中小企業に対して希望を与えるものになってほしい」と述べ、「今後、若い創業者達に希望を与える一粒の麦になるという信念をもって、技術や人材を奪い取る企業には毅然と対応する」と付け加えた。